FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

旅のこととか、旅に関する本のこととか。

2021-01-01から1年間の記事一覧

椎名誠『わしらは怪しい探険隊』|読書旅vol.28

更新頻度的に早くも年内最後の記事になる予感。コロナ2年目がゆっくり終わろうとしていますが、皆さんにとって2021年はどんな年でしたか? 旅行好きが高じて〈海外に移住するぞ!〉と意気込み、仕事を辞めたものの、モタモタしているうちに日本から出られなく…

國友公司『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』|読書旅vol.27

前々回に取り上げた『ヴェトナムディープウォッチ』が西成区長さんの著作であると知り、何となくその流れで『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)を読み返してみました。 2018年に刊行され、2020年に文庫化された本書は、とある青年が彩図社の編集者…

下川裕治『週末ベトナムでちょっと一服』|読書旅vol.26

引き続き今回も大好きなヴェトナムにまつわる書籍をピックアップしてみました。前回の『ヴェトナムディープウォッチ』が刊行されたのは、米越の国交が正常化し、ヴェトナムのASEAN加入が認められた年。経済状況も街の様子も、いまとはだいぶ異なります。 そ…

臣永正廣・文/外山ひとみ・写真『ヴェトナムディープウォッチ』|読書旅vol.25

今回は大好きなヴェトナムにまつわる書籍をピックアップしてみました。1995年刊行の、その名も『ヴェトナムディープウォッチ』(徳間書店)。時はアメリカによる経済制裁が解除された直後。国全体が大きく変わろうとしていたこの時期に、スーパーカブでヴェ…

田丸公美子『シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ』|読書旅vol.24

イギリス、フランス、ドイツ、イタリアのビッグ4を筆頭に、ヨーロッパって地理的にはそれほど離れていない地域であっても各々キャラ立ちしていて、さまざまな習慣や文化を湛えているのがおもしろいですよね。W杯欧州予選を眺めていても、サポーターの様子な…

熊谷徹『住まなきゃわからないドイツ』|読書旅vol.23

ブンデス・リーガと日本人プレイヤーの相性が良いのはいまに始まった話じゃないですが、ヴェテランの長谷部誠選手や昨シーズンのデュエル王=遠藤航選手を筆頭に、鎌田大地選手、奥川雅也選手、原口元気選手、伊藤洋輝選手、浅野拓磨選手をはじめ、2021-2022…

岡本まい『「危ない」世界の歩き方』|読書旅vol.22

前回の『海外ブラックロード 危険度倍増版』に引き続き、またまた彩図社の本を選んでみました。当ブログで取り上げるのは私の旅欲を掻き立ててくれる書籍に限っているのですが、ヤクザ・半グレ系やオカルト系をはじめ、我が家の本棚には彩図社の作品がそれな…

嵐よういち『海外ブラックロード 危険度倍増版』|読書旅vol.21

熱狂的な信者を抱える一方、やたらと敵も多い旅行作家の嵐よういちさん。私自身は彼のストレートな物言いが好きですが、アンチの気持ちも理解できます。だってこの人、めちゃくちゃ口が悪いし、偉そうだし、時に初心者トラベラーをバカにしすぎるきらいがあ…

石井光太『神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く』|読書旅vol.20

駐留米軍の撤退を受けてアフガニスタンの政権が崩壊し、タリバンが瞬く間に全権を掌握した今年8月。TVで首都カーブルの様子を見たり、タリバンの女性蔑視思想にまつわる解説を聞いたりする日々の中、ふと『神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く』(2007年/…

pha『どこでもいいからどこかへ行きたい』|読書旅vol.19

前回ご紹介した『恋する旅女、世界をゆく――29歳、会社を辞めて旅に出た』(2014年/幻冬舎)の中で、以下の一節にドキッとしました。 (旅行中は)これまで活動を遠慮していたような五感の一つひとつが動き出していくような気がしてくる。目にする喜び、耳に…

小林希『恋する旅女、世界をゆく――29歳、会社を辞めて旅に出た』|読書旅vol.18

前回の『行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅』(2003年/幻冬舎)が男のロマンに溢れまくりの1冊だったため(*詳しくはこちらから)、次は女性の旅エッセイを読もうと決めていました。 そんな折に近所の古本屋で見つけたのが、こちらの『恋する…

石田ゆうすけ『行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅』|読書旅vol.17

なぜ男性はわざわざ自転車で旅をしたがるの?――ジェンダーフリーが叫ばれるご時世に、こんな書き出しはいかがなものかとも思いつつ、ずっと疑問に感じていたんですよね。 長期の休みに突入するや、やれ日本縦断だ、やれ北海道1周だと愛チャリと共に姿をくらま…

川内有緒『パリの国連で夢を食う』|読書旅vol.16

前回の反動もあって、今回は明るい本を選んでみました。2014年にイースト・プレスから刊行され、2017年に幻冬舎から文庫化された川内有緒さんの『パリの国連で夢を食う』。 日本の某大学を卒業後にジョージタウン大学で修士号を取得した著者の川内さんは、ア…

水谷竹秀『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』|読書旅vol.15

今回は珍しく重たいテーマの書籍を取り上げてみます。第9回開高健ノンフィクション賞にも選ばれた2011年刊行の『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』(集英社)。 日刊マニラ新聞の記者だった著者の水谷竹秀さんが、フィリピンで困窮邦人の…

岡崎大五『添乗員騒動記』|読書旅vol.14

今回挑むのは1997年に旅行人より刊行され、2002年に角川より文庫化された岡崎大五さんの初作『添乗員騒動記』。会社に所属しないプロの添乗員(=プロテン)として世界中を飛び回っていた著者の、完全実体験によるドタバタ珍道中です。 プロテンって何? そも…

たかのてるこ『モンキームーンの輝く夜に』|読書旅vol.13

私にとって初のたかのてるこ作品となった『ダライ・ラマに恋して』(2004年)をご紹介しているこちらの記事でも書いた通り、「次に読む彼女の本はこれだな」と決めていました――2003年に刊行の『モンキームーンの輝く夜に』(幻冬舎)。 著者の興味をダライ・…

黒田勝弘『韓国を食べる』|読書旅vol.12

私がもっとも訪れている海外の都市はダントツでソウルです。10代前半から父親の出張に大張り切りでついて行き(たまに釜山も)、大学進学後はそれにプラスして友達とも通いはじめ、社会人になって以降も身近な誰かが〈ソウルに行きたい〉と言い出せばフット…

丸山ゴンザレス『アジア罰当たり旅行』|読書旅vol.11

クラウドワークスの話題を数回挿んで読書旅ブログの再開です。再開1発目は、わりとヴィジュアルがツレに近いことから勝手に親近感を抱いている、丸山ゴンザレスさんの『アジア罰当たり旅行』(2005年/彩図社)。 ジャーナリストとして不動の人気を誇るゴン…

【クラウドワークス】著作権侵害にモラル違反。ライティング業務は怪しい案件に当たりがち?

前回ご紹介したクラウドワークスの子会社であるビズアシスタントのオンライン面接で、「文字起こし/テープ起こしや校正の業務はやるのに、なぜライティングはやらないんですか?」と訊かれました。それをバカ正直に答えたのが、ビズアシ不採用の決定打になっ…

【クラウドワークス】ビズアシスタントって何? 私は面接でこんな質問をされました!

一定期間クラウドワークスに登録している方であれば、ビズアシスタントからお仕事の相談を幾度となく受けているはず。ビズアシスタント? これはいったい何だ? 私もずっと気になっていたんですよね。 そこで、ある時この案件にも応募してみることに。先にオチ…

【クラウドワークス】報酬未払い事件が勃発! その時に取った回避方法とは?

クラウドワークスを始めて1年。たった1度だけ「これはギャラを踏み倒されるかも……」と感じる案件に引っ掛かりました。今回はその時にどうやって未払いを防いだかをお伝えします。 未払いを防ぐ仮払いシステム 然るべき手順を踏んでいれば、CWで報酬の未払い…

【クラウドワークス】MLMやねずみ講の大迷惑な手口とその予防策

直近の記事でも繰り返し書いている通り、クラウドワークスに登録した当初は応募してもなかなか契約まで至りませんでした。 ただでさえこちらは不貞腐れ気味なのに、不採用通知の中には結構な割合で詐欺紛いのメッセージが入り込んでくるのだから、もうイライ…

【クラウドワークス】受注率を上げるために良い依頼主さんの傾向を把握しよう

前回の記事では、クラウドワークスにおける文字起こし/テープ起こし案件の競争率の高さと、そんな状況でも何とか契約を掴み取り、CWの副業のみで月9万円稼げるに至った経緯をご紹介しました。今回はその続き。とにかく応募しまくった結果、何となく発注者の…

【クラウドワークス】競争率の高い文字起こし案件で契約を取るコツとは?

クラウドワークスで興味のある仕事に応募しても、これが思いのほか採用されません。とりわけ誰でも手軽に始められる文字起こし/テープ起こしは、前回の記事でもチラッと触れた通り(*詳しくはこちら)、競争率がめちゃくちゃ高く、本当に泣けてくるほど当…

【クラウドワークス】文字起こし/テープ起こしのメリットとデメリット

けっこうな気合いを入れて月9万、それなりのがんばりで月3~5万は稼げているクラウドワークスの文字起こし/テープ起こし仕事(※過去1年の月別報酬を公開した前回の記事はこちらから)。今回は1年間続けてみて私が感じたメリットとデメリットを書いていきた…

【クラウドワークス】文字起こしってどれくらい稼げるの? 過去1年の報酬額を月別に公開!

クラウドワークスに登録して丸1年が経ちました。そこで、今年7月から続けている読書ネタを少しお休みし、今月はCW関連記事で固めてみます。 私がCWで主に受けている業務は文字起こし/テープ起こし。初心者歓迎系の案件が多く、比較的誰でも簡単に始められる…

たかのてるこ『ダライ・ラマに恋して』|読書旅vol.10

今回選んだ1冊は、2004年に刊行/2007年に文庫化されたたかのてるこさんの旅エッセイ『ダライ・ラマに恋して』(幻冬舎)。舞台はチベット自治区、並びにインド北部のチベット文化圏です。 実はこれが私にとって初めてのたかの作品。最初は代表作『ガンジス…

椎名誠『インドでわしも考えた』|読書旅vol.9

前回取り上げた『ASIAN JAPANESE―アジアン・ジャパニーズ 1』に出てくる1人の旅人が、「インドはこれからのためにとってあるの」と語った言葉に、「それ自分もまったく同じです!」と激しく頷いてしまいました。 周りの友達からアジア好きと思われている私は…

小林紀晴『ASIAN JAPANESE―アジアン・ジャパニーズ 1』|読書旅vol.8

いまこの『ASIAN JAPANESE―アジアン・ジャパニーズ 1』を前にして、「どういうふうに紹介しようかな……」とちょっぴり悩んでいます。安心感とか、やるせなさとか、いろいろな感情がないまぜになり、読んだ後は毎度しばらくボーッとしてしまう1冊。 好きな書籍…

本山尚義『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』|読書旅vol.7

今回は『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』(ライツ社/2017年)を選んでみました。当ブログでレシピ本を取り上げるのは、きっと最初で最後になるはず。 前回TABIPPOの『僕らの人生を変えた世界一周』(いろは出版)をピックアップし、その流れで2作目…