FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

旅のこととか、旅に関する本のこととか。

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

高野秀行『未来国家ブータン』|読書旅vol.111

6月は環境省が提唱する環境月間。私も1冊くらいそこに絡めた作品を紹介しようと、高野秀行さんの『未来国家ブータン』(2012年/集英社)を選んでみました。 雪男を追って 高野さんがブータンへ行くきっかけとなったのは、生物資源探索企業の代表(飲み仲間…

川内有緒『バウルの歌を探しに バングラデシュの喧騒に紛れ込んだ彷徨の記録』|読書旅vol.110

コロナウィルスの流行で外出自粛が推奨された2020~2021年、私はここぞとばかりに積読していた本を読みました。 その流れで『パリの国連で夢を食う』を手に取り、川内有緒さんの文章に惹かれ、デビュー作の『パリでメシを食う』や、開高健ノンフィクション賞…

芹澤桂『ほんとはかわいくないフィンランド』|読書旅vol.109

前回の『私のマトカ』に続き、今回も読書を通じたフィンランド旅へ。選んだ作品は『ほんとはかわいくないフィンランド』(2020年/幻冬舎)です。 IT業界の会社員兼ライターとして東京でバリバリ働いていた著者の芹澤桂さんが、フィンランド人との結婚を機に…

片桐はいり『私のマトカ』|読書旅vol.108

今回はフィンランドを舞台にした片桐はいりさんの処女作『私のマトカ』(2006年/幻冬舎)をチョイスしました。読書を通じて旅するメリットは、自分が行けない場所へも気軽に飛べる点。 寒さに弱く、まだ一度も北欧へ足を踏み入れたことのない私は、はいりさ…

小野一光『震災風俗嬢』|読書旅vol.107

今回選んだのは小野一光さんの『震災風俗嬢』(2016年/太田出版 ※2019年に集英社より文庫化)です。「旅に出られない間は旅に関する本の感想文をアップする」と宣言しているくせに、いわゆる旅の本ではありません。 しかし、ダークツーリズム/ブラックツー…