FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

旅のこととか、旅に関する本のこととか。

BOOK-GLOBETROTTING

村上敦伺・四方健太郎『世界一蹴の旅 サッカーワールドカップ出場32カ国周遊記』|読書旅vol.88

ボケボケしていたらサッカーW杯まで1か月を切っていました。今回のカタール大会は異例の11~12月開催。欧州リーグがシーズン真っ只中で中断を余儀なくされ、強豪国を中心に準備不足も懸念されるなど、つい最近までイマイチ盛り上がりに欠けていた感は否めま…

海外危険情報編集班・編『海外ブラックグルメ』|読書旅vol.87

直近2回の投稿に続いて、またまた食にフォーカスした紀行エッセイを。前々回の『世界ぐるっとほろ酔い紀行』(※詳しくはこちら)と前回の『港町食堂』(※詳しくはこちら)は、読んでいるそばから垂涎モノの飯テロ作品でしたが、さて、今回の『海外ブラックグ…

西川治『世界ぐるっとほろ酔い紀行』|読書旅vol.85

世界のいたる所に美酒がある。フランスのさまざまな葡萄酒にしても、またスペインのシェリー、ロシアのウォッカ、中国のマオタイ、ペルーのピスコ、ブラジルのピンガ……かつて訪れた土地土地の思い出は、懐かしい酒の味わいと香りをともなってよみがえって来…

岡本太郎『美の世界旅行』|読書旅vol.84

1年でもっとも夏が好きな私にとって、残暑の厳しい9月は誰が何と言おうとまだ夏です。数日前まではサンダルも短パンも着用していました。 しかし、カレンダーが10月に切り替わった途端、いろいろと諦めの気持ちも出てきています。やり残したことはたくさんあ…

嵐よういち『海外ブラックマップ』|読書旅vol.78

今月は彩図社の読書感想文しかアップしないという縛りを設けました。創業30周年を祝して……というのは後付けで、ただの気分の問題です。まずは、同出版社の旅行書カテゴリーにおける代表作家と言って差し支えない嵐よういちさんから。 なお、当ブログで嵐さん…

北杜夫『どくとるマンボウ航海記』|読書旅vol.73

パラダイス山元さんの『パラダイス山元の飛行機の乗り方』、内田幹樹さんの『機長からアナウンス』と空の旅が続いたところで、お次は海の旅へ。北杜夫さんの『どくとるマンボウ航海記』(1960年/新潮文庫)を選んでみました。 マンボウ先生の処女航海 元精…

パラダイス山元『パラダイス山元の飛行機の乗り方』|読書旅vol.71

私は飛行機を移動手段の1つとしか考えておらず、そこに浪漫は感じません。ANAの機内で葉加瀬太郎さんの“Another Sky”が聴こえてきた瞬間だけ、ほんの数秒テンションが上がるものの、あとは1分でも早く目的地に着いてほしいと願い、さっさと寝に入るのみ。で…

蔵前仁一『あの日、僕は旅に出た』|読書旅vol.67

宮田珠己さんの処女作『旅の理不尽 アジア悶絶篇』を取り上げておいて(※詳しくはこちらから)、蔵前仁一さんの本を紹介しないわけにはいきません。 そこで、いろいろな作品があるなか、ひとまず『あの日、僕は旅に出た』(2013年/幻冬舎)をチョイスしてみ…

上原善広『異邦人 世界の辺境を旅する』|読書旅vol.45

昨日は国際人種差別撤廃デーでした。そこで人種差別/民族差別にまつわる本をピックアップしたいと思い立ったのですが、この手の記事は当日に投稿して何ぼ。翌日の夜に投稿しているようではダメですね。自分の計画性のなさに呆れています。 被差別民や迫害の…

高城剛『モノを捨てよ 世界へ出よう』|読書旅vol.40

さくら剛さんの作品が2つ続いた流れで、今度は高城剛さんの本に手を出してみました。勝手なイメージだけで書いてしまうと、陰キャ丸出しのさくらさんに比べ、高城さんはハイパー陽キャ。名前以外に両者の目立った共通点はありません。 でもこの機会を逃した…

さくら剛『海外旅行なんて二度と行くかボケ!!』|読書旅vol.38

Travelの語源はTroubleだと、昔何かで読みました。〈それは間違いだ〉とする説もありますし、〈いやいや、どちらも同じ語源(ラテン語で3本の杭を表す拷問具のTrepalium)だよ〉との説もあります。 正解は確認していません。だけど、私はTravelの語源がTroub…

白石康次郎『七つの海を越えて: 史上最年少ヨット単独無寄港世界一周』|読書旅vol.35

数々の記録を打ち立ててきた海洋冒険家の白石康次郎さん。彼の著書やインタヴュー記事を読んでいると、こちらまで元気がモリモリ湧いてきます。 今回ご紹介する『七つの海を越えて: 史上最年少ヨット単独無寄港世界一周』(2000年/文藝春秋)は、サブタイト…

白石あずさ『世界のへんな肉』|読書旅vol.32

ワニ、ヘビ、カメ、カンガルー、ヤギ、ウサギ、ハト、サソリ、竹虫――これらは私が過去に食した変わり種の動物たちです。ゲテモノ(=下手物)って言葉はあまり好きじゃないのですが、何にせよ、いわゆるゲテモノ界の中ではわりとメジャーなラインナップ。 し…

大山倍達『世界ケンカ旅』|読書旅vol.31

世間ではかれこれ1週間前に仕事始めを迎え、あれよあれよと成人の日も過ぎたところで、〈いい加減そろそろ正月ボケを何とかせねば!〉と、背筋を伸ばして『世界ケンカ旅』を再読しました。ご説明するまでもなく、著者の大山倍達さんは極真会館の創設者であり…

岡本まい『「危ない」世界の歩き方』|読書旅vol.22

前回の『海外ブラックロード 危険度倍増版』に引き続き、またまた彩図社の本を選んでみました。当ブログで取り上げるのは私の旅欲を掻き立ててくれる書籍に限っているのですが、ヤクザ・半グレ系やオカルト系をはじめ、我が家の本棚には彩図社の作品がそれな…

嵐よういち『海外ブラックロード 危険度倍増版』|読書旅vol.21

熱狂的な信者を抱える一方、やたらと敵も多い旅行作家の嵐よういちさん。私自身は彼のストレートな物言いが好きですが、アンチの気持ちも理解できます。だってこの人、めちゃくちゃ口が悪いし、偉そうだし、時に初心者トラベラーをバカにしすぎるきらいがあ…

石田ゆうすけ『行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅』|読書旅vol.17

なぜ男性はわざわざ自転車で旅をしたがるの?――ジェンダーフリーが叫ばれるご時世に、こんな書き出しはいかがなものかとも思いつつ、ずっと疑問に感じていたんですよね。 長期の休みに突入するや、やれ日本縦断だ、やれ北海道1周だと愛チャリと共に姿をくらま…

岡崎大五『添乗員騒動記』|読書旅vol.14

今回挑むのは1997年に旅行人より刊行され、2002年に角川より文庫化された岡崎大五さんの初作『添乗員騒動記』。会社に所属しないプロの添乗員(=プロテン)として世界中を飛び回っていた著者の、完全実体験によるドタバタ珍道中です。 プロテンって何? そも…

本山尚義『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』|読書旅vol.7

今回は『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』(ライツ社/2017年)を選んでみました。当ブログでレシピ本を取り上げるのは、きっと最初で最後になるはず。 前回TABIPPOの『僕らの人生を変えた世界一周』(いろは出版)をピックアップし、その流れで2作目…

TABIPPO監修『僕らの人生を変えた世界一周』|読書旅vol.6

今回選んだ1冊は、このブログで今後取り上げていく旅エッセイの中でも、たぶんトップクラスで多くの読み手が共感できるんじゃないかな~と思っている『僕らの人生を変えた世界一周』(いろは出版/2013年)。なぜ共感度が高いか、その理由も交えてご紹介して…