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今回ご紹介する『モロッコで断食』(幻冬舎文庫)は、前回取り上げた『サハラ砂漠の王子さま』の続きにあたる作品です。 もともと2002年に同じタイトルの上下巻セットで登場し、2004年の文庫化に合わせて再編(※上巻のみ改題)。 上巻と下巻では毛色が異なり…
今回ピックアップしたはたかのてるこさんの『サハラ砂漠の王子さま』(幻冬舎文庫)。サハラ砂漠を舞台にした前回の『世にも奇妙なマラソン大会』を読み返し、積読していたこちらのタイトルに目が留まりました。 学生時代最後の旅 『サハラ砂漠の王子さま』…
前回の『未来国家ブータン』に引き続き、高野秀行さんの作品です。今回は『世にも奇妙なマラソン大会』(2011年/本の雑誌社 ※下掲の表紙は2014年に文庫化され集英社版です)をチョイスしました。 間違う力? 私には「間違う力」があると言われる。本当にそれ…
6月は環境省が提唱する環境月間。私も1冊くらいそこに絡めた作品を紹介しようと、高野秀行さんの『未来国家ブータン』(2012年/集英社)を選んでみました。 雪男を追って 高野さんがブータンへ行くきっかけとなったのは、生物資源探索企業の代表(飲み仲間…
コロナウィルスの流行で外出自粛が推奨された2020~2021年、私はここぞとばかりに積読していた本を読みました。 その流れで『パリの国連で夢を食う』を手に取り、川内有緒さんの文章に惹かれ、デビュー作の『パリでメシを食う』や、開高健ノンフィクション賞…
前回の『私のマトカ』に続き、今回も読書を通じたフィンランド旅へ。選んだ作品は『ほんとはかわいくないフィンランド』(2020年/幻冬舎)です。 IT業界の会社員兼ライターとして東京でバリバリ働いていた著者の芹澤桂さんが、フィンランド人との結婚を機に…
今回はフィンランドを舞台にした片桐はいりさんの処女作『私のマトカ』(2006年/幻冬舎)をチョイスしました。読書を通じて旅するメリットは、自分が行けない場所へも気軽に飛べる点。 寒さに弱く、まだ一度も北欧へ足を踏み入れたことのない私は、はいりさ…
今回選んだのは小野一光さんの『震災風俗嬢』(2016年/太田出版 ※2019年に集英社より文庫化)です。「旅に出られない間は旅に関する本の感想文をアップする」と宣言しているくせに、いわゆる旅の本ではありません。 しかし、ダークツーリズム/ブラックツー…
今回取り上げる書籍は高杉裕二さんの『中国で会社をつくったら、ひどい目に遭いました』(2014年/彩図社)。前回の『中国なんて二度と行くかボケ! ...でもまた行きたいかも。』に続いて剣呑なタイトルです。 家庭の事情で旅行できない現在は、旅に関する本…
母のリハビリ生活が長引く最中に、ご両親の介護について綴ったさくら剛さんのnoteを一気読みし、著者に対する印象がガラリと変わりました(※詳しくはこちらから)。自然と涙が溢れてきました。 ただし、それを紹介するのは自分的に違和感。あくまでも当ブロ…
陰暦6月の満月はヴィサカブーチャ(仏誕節)。今年は5月22日で、タイではお酒が飲めません。タイの禁酒日は年に5回あり、スーパーやコンビニ、飲食店でアルコールの販売が自粛。 この禁酒日が近付くと、普段はまったく読まれない『【検証】タイの禁酒日やア…
3回連続で宮田珠己さんのエッセイに関する感想文の投稿です。何かすみません。しかも、近作ならまだしも、すべて20年以上前に書かれた作品ですが、どうか引き続きお付き合いください。 サラリーマン時代の雄姿 今回は、2000年に刊行され、そこから7年の時を…
こちらのページで書いた通り母の手術をきっかけに生活が一変。隣でリハビリの応援をしたり(※応援するだけで、実際は何の役にも立っていない)、他愛のない会話をして退屈しのぎの相手になったりする毎日を送っています。 母と過ごす時間は穏やかそのもの。…
大型連休っぽいアクティヴィティーを何ひとつしないまま、GWが後半戦に突入してしまいました。残りの3日間も特にアガる予定は控えていません。 そこで少しはレジャー気分を味わおうと、今回は『ジェットコースターにもほどがある』(集英社文庫)を選んだ次…
前回の『グレートジャーニー 人類5万キロの旅1 嵐の大地パタゴニアからチチカカ湖へ』にて冒険欲が刺激された流れで、今回は『草原の国キルギスで勇者になった男』(2020年/新潮社)をピックアップ。 ニュータイプの冒険家 まず本書を執筆された春間豪太郎…
前回ご紹介した『世界一周デート 魅惑のヨーロッパ・北中南米編』のなかで、メキシコの山岳地帯に住む人たちとチベットの人たちの雰囲気が似ていることを肌で感じた著者の吉田友和さんは、こんなふうに述べられていました。 我々モンゴロイドの祖先は、西は…
98回目の読書旅は前回に引き続き吉田友和さんの作品。奥様の松岡絵里さんとの共著となるデビュー作『世界一周デート 魅惑のヨーロッパ・北中南米編』(幻冬舎文庫)をピックアップしました。 『世界一周デート』とは? 『世界一周デート』とは、結婚を機に会…
今回選んだのは吉田友和さんの『旅はタイにはじまり、タイに終わる――東南アジアぐるっと5ヶ国』(幻冬舎文庫/2014年)。前回の『タイからはじめるバックパッカー入門』を読了後に、ふと読み返したくなりました。 吉田さんの作品をブログで取り上げるのはこ…
前回の投稿に書いた通り、家庭の事情でしばらく旅行はお休み。旅へ行けない期間は読書ブログを復活させます。 今回選んだのは藤井伸二さんの『タイからはじめるバックパッカー入門』(2021年/光文社知恵の森文庫)。私にとってこれが藤井さんに触れる初めて…
『さわやかタイ読本』『バンコクジャパニーズ列伝』『トロピカル性転換ツアー』に続き、またまた舞台はタイです。どうしてタイにまつわる本の感想文を連投しているかと言うと、10月末より約1か月タイへ行っていたから。 2020年3月ぶりとなる訪タイが楽しみす…
男性から女性に、女性から男性になった方の談話も載っている『バンコクジャパニーズ列伝 いろいろあってバンコクにいます』を再読し(※詳しくはこちら)、ふとプーケット島を舞台にした能町みね子さんの実録エッセイ『トロピカル性転換ツアー』(文春文庫)…
前回の『さわやかタイ読本』(※詳しくはこちら)の延長線上で、今回はクーロン黒沢さんやエポック伊藤さんと共に同書を執筆された皿井タレーさんの『バンコクジャパニーズ列伝 いろいろあってバンコクにいます』(彩図社)をご紹介します。 何かを極めた在バ…
『東南アジア四次元日記』を再読し(※詳しくはこちら)、東南アジアのおもしろさを改めて確認したところで、今度はバンコクにズームイン。大作『さわやかタイ読本: 国際奇人変人都市・バンコクへようこそ!』(2002年/太田出版)をピックアップしてみました…
2010年発売の『世界一蹴の旅 サッカーワールドカップ出場32カ国周遊記』に感化され(※詳しくはこちら)、私も読書を通じて目前に控えたW杯出場国を疑似旅行しようと、手始めに日本が戦うグループEからドイツとスペインに関する本を直近2回で紹介しました。 …
前回ピックアップした『ドイツの犬はなぜ幸せか: 犬の権利、人の義務』は、サッカー日本代表がカタールW杯の初陣で対戦するドイツを舞台にした作品でした(※表題通り内容はサッカーと何の関係もありません)。 それに続いて紹介するのは、『サンティアゴ巡礼…
「世紀の祭典」と呼ばれる4年に1度のW杯において、日本代表のみを応援し、楽しむだけではもったいない。 上記は、前回ピックアップした『世界一蹴の旅 サッカーワールドカップ出場32カ国周遊記』のプロローグにある一節(※詳しくはこちら)。その通りだと思…
ボケボケしていたらサッカーW杯まで1か月を切っていました。今回のカタール大会は異例の11~12月開催。欧州リーグがシーズン真っ只中で中断を余儀なくされ、強豪国を中心に準備不足も懸念されるなど、つい最近までイマイチ盛り上がりに欠けていた感は否めま…
直近2回の投稿に続いて、またまた食にフォーカスした紀行エッセイを。前々回の『世界ぐるっとほろ酔い紀行』(※詳しくはこちら)と前回の『港町食堂』(※詳しくはこちら)は、読んでいるそばから垂涎モノの飯テロ作品でしたが、さて、今回の『海外ブラックグ…
前回の酒と肴をテーマにした紀行文『世界ぐるっとほろ酔い紀行』に続き、今回ピックアップするのは奥田英朗さんのエッセイ『港町食堂』(2005年/新潮社)です。秋真っ盛り。食欲が止まりません。 直木賞受賞もおかまいなし? この『港町食堂』は雑誌『旅』で…
世界のいたる所に美酒がある。フランスのさまざまな葡萄酒にしても、またスペインのシェリー、ロシアのウォッカ、中国のマオタイ、ペルーのピスコ、ブラジルのピンガ……かつて訪れた土地土地の思い出は、懐かしい酒の味わいと香りをともなってよみがえって来…