最近の私はかなり頻繁に旅をしています。といっても本の中での話です。人気の温泉宿で読書ステイみたいな洒落たことは一切していません。
ただただ自室にこもってページをめくるのみ。それだけでいくらでも意識を遠くへ飛ばせから不思議です。つくづく読書って凄い。
で、長らく続けてきたタイのネタが底を突くも、まだまだリアル旅に出られない以上(折しも本日4度目の緊急事態宣言が発令されました……)、しばらく同ブログでは私の読書旅の様子を書いていこうと考えています。
「そんな宣言せずとも勝手に始めろよ」って話ですが、スタートするにあたって3つほど超簡単なルールを設けておくことにしました。自分の胸に刻むべく、今回はその3つの縛りを記しておきます。
選定の基準は旅気分に浸れる本
1つ目のルールは本の選定基準。ジャンルを問わず世の中にはおもしろい本が数多あれど、ここでは旅気分に浸れる本に限定します。やっぱり2年強ブログを続けてきたので、これまでの主軸からは大きく逸れたくない気持ちが第一。
であれば、「本に限らず旅テーマの映画でも音楽でもいいかな」と一瞬迷いつつ、とりあえずは本に絞りたくって。そこには自分なりの理由がちゃんとあります。
1回目の緊急事態宣言が出る直前にタイから戻ってきて以降、初めの数か月は旅系のYouTubeを漁っていました。しかし外出自粛が長引くにつれて、それらの動画を観ていてもネガティヴな感情ばかりがどんどん膨れ上がっていったんですよ。
画面の向こうのYouTuberさんはあんなに大はしゃぎしているのに、どうして私はいまそこに行けないんだろう……とか。観れば観るほど海外との距離を感じたんです。単なる醜い嫉妬ってことくらい、薄々気付いていますけどね。
そんな時に本を開いてみました。すると思いの外、本の世界に没頭。動画と違って文字情報と少しの挿画しかないにもかかわらず鮮やかにその光景が浮かび上がり、「素敵だな~」とか「行ってみたいな~」とか純粋にひたすらウキウキ。後ろ向きな感情も湧いてきません。
なぜ本がOKかは不明。デジタル疲れしていただけかもしれませんし、そのあたりは上手く言語化できそうにないです。
とにもかくにも、学生時代は趣味でよく本を読んでいたものの、就職してからは仕事関係の書籍しかほぼほぼ触れていなかった私が、いま改めて読書する楽しさを思い出し、喜びに震えています。
だから当面ブログで紹介する作品は本縛り。まあ、そうは言っても飽きっぽい性格につき、このテンションもいつまで持続するのやら……(笑)。
書評ではあらず
国語辞典で書評の意味を調べたところ、「新刊の書物の内容を紹介・批評した文章」と出てきました(*『新明解国語辞典』より)。う~ん、何か引っ掛かる。
長らく読書から離れ、ここ数年の愛読書は『地球の歩き方』一択だった私が、紹介はともかく、批評するなんておこがましいにもほどがあります。
しかも図書館や自宅の本棚からチョイスしていて、現在読んでいる本のほとんどが新刊じゃなく思いっきり旧刊。すでに評価が固まっている作品をいまさら批評するのもいかがなものか。
……なんてあれこれ考え、感想文、もしくはちょっとカッコ付けてブックガイド的なスタンスを取ることにしました。要は「作品に良い/悪いの点数を付けるようなブログにはしませんよ」といったイメージ。
ちなみに、誤解のなきよう補足しておくと、私は書評ブログを読むのが好きで、とりわけ対象となる本のダメな点をロジカルかつウィットに富んで分析している記事は大好物。フムフム言いながら拝見しています。
とどの詰まり自分に批評する文章センスがないっていう話で、決して書評ブログのディスでない旨をご理解くださいませ。
それなりに文字数を割く
3つ目は文字数についてです。書店で目にするブックガイドのほとんどが、キャプション程度にオススメ本の紹介文を添えていく形式。正直これじゃ、あまり紹介されている本を読みたいとは思わないんですよね。
次に読む本を探すよりかは、すでに読んだ本がどう紹介されているか、答え合わせ的な楽しみ方のほうが強いというか……。場合によっては、好きな作家さんが何をセレクトしているのかをチェックするくらい?
でも、三宅香帆さんの2017年作『人生を狂わす名著50』を目にした時に、ブックガイドの概念が覆されました(*出版元であるライツ社のホームページに「各種SNSの投稿、noteやブログ等で記事を書く際、ご自由にこちらの画像をお使いください」とあったため、以下お言葉に甘えて画像を拝借します)。
『人生を狂わす名著50』では1冊1冊に結構な文字量が割かれ、何より熱量がハンパない。「紹介している書籍のことが好きで好きでたまらない!」って気持ちが伝わってきますし、めちゃくちゃ文章もおもしろいです。天才。
まだ読んでいない本は読みたくなり、すでに読んでいない本でも読み返したくなる――これぞブックガイドのお手本だと思います。
もっとも、三宅香帆さんのようなカッコイイ文章を書くなんて私には到底ムリ。だけど、『人生を狂わす名著50』を読み、ブログで本を紹介するならせめてそれなりの文字数は割こうと決めました。あくまでも〈それなり〉ですよ。
土曜日の朝日新聞に掲載される新刊紹介が約800字。私はその3~4倍目安で、のんびり綴っていく予定です。
というわけで、次回からブログの路線をちょっぴり変え、渡航制限が解除されるまでは読書で妄想旅にシケ込みます。
今回は無駄に仰々しいそのエピローグ。最初にステイトメントを出さないとイマイチやる気が出ない有言実行タイプなもので……面倒臭くてすみません。
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