常夏の国タイで飲む冷えたビールは格別に美味しいです。とはいえ、連日ビールばかりだと飽きちゃいます。お腹も膨れます。
もちろん、バーへ行けばわりと何でも飲めますが、夕飯を食べてホテルに戻り、シャワーを浴びて「あとはもう寝るだけ」って状態で、ダラダラ飲みたい夜もあるじゃないですか。そんな時に重宝するのが、ご当地ラム酒。今回はそのタイラムのお話です。
タイラムに主要銘柄は?
ラム酒の主原料はサトウキビ。ブラジル、インド、中国に次いで世界第4位のサトウキビ生産量を誇るタイでは、さまざまなメーカーがラム酒を製造しています。
独断で3大銘柄を挙げるとすると、SangSom(センソム)、Phraya(プラヤ)、Chalong Bay(チャロンベイ)でしょうか。異論は認めます。
SangSom

1977年に誕生した、市場シェア70%を占めるタイラムの代表格。700ml入りが300THB前後、旅行者に嬉しい300ml入りのミニボトルが150THB前後と値段もリーズナブルで(※ビールより安上がり!)、コンビニでも普通に置いています。
国産ハーブやスパイスをブレンドし、「ココナッツやメープルシロップのよう」と表現される香りと甘みは、いろいろな割り材と合わせやすく、使い勝手良し。
ちなみに、SangSomとはムーンライトの意味。パンガン島のフルムーン・パーティーで名物化し、タイ全土に広まったバケツ・カクテルも、もともとのベースはSangSomだったんですって(※いまはタイウィスキーで割っている店も多いです)。
Phraya

2011年にSangSomから枝分かれするかたちで誕生したプレミアム・ブランド。タイの高級ラム酒ブームの火付け役的な位置づけです。
カンチャナブリ―県で採れたサトウキビを厳選しているとか、アメリカンオークの樽がどうとか、すべて手作業だとか、公式HPにはあれこれこだわりが書かれていました。
最上位シリーズである12年熟成のPhraya Goldは、700ml入りで約2500THB。キャラメルに似た少しほろ苦い後味が特徴だそうです。無論、節約派バックパッカーの私はまだ飲んだことがありません。
Chalong Bay

伝統的なフランスの蒸留法で作られるプーケット発祥のChalong Bayは、国際的な評価も高く、たくさんの賞を獲っています。価格は700mlで約750THB。
国産の天然サトウキビを100%使ったシグネチャー・シリーズに加え、レモングラスやコブミカン、シナモンなどの風味を足したトロピカル・シリーズも人気です。
その他、最近のタイラム事情
ラオカオ(※米やタピオカを原料とするタイ伝統の蒸留酒)でお馴染みのRuang Khao(ルアン・カオ)が2023年末に満を持して発表したRuang Khao Siam Sapphire(ルアン・カオ・サイアム・サファイア)や、長期熟成がウリのナコンパトムで造られているShakara(シャカラ ※写真下)をはじめ、「打倒Phraya」を目論んだ高級ラムの台頭が著しい昨今のタイラム市場。

一方で、先述したChalong Bayのトロピカル・シリーズのヒットに続かんと、フレイヴァ―系ラムも徐々にずつ増えていて、個人的にはThe Fabulous Thai Rum Company(ファビュラス・タイラム・カンパニー)から出たピンク・ココナッツ+ドラゴンフルーツ味や、バナナ+シナモン+ナツメグ味、ライチ+キウイ+バジル味、ジンジャー+レモングラス+ライム味の4種が気になっています。
タイウィスキーの罠
ちょっぴり脱線。農村地でハンドメイドされていたラオカオを除き、タイの蒸留酒市場は長らく海外ウィスキーが占拠していました。
その影響から、タイではスピリッツ=ウィスキーな認識が浸透。地元の人がタイウィスキーと呼んで親しんでいる大衆酒の多くは、ウィスキーじゃありません。

タイウィスキーの二枚看板、Hong Thong(ホン・トーン)とMekhong Spirits(メコン・スピリッツ)も、原材料は米とサトウキビ。日本人が想像するウィスキーの味とは程遠く、むしろラム酒に近いです。
しかし、タイ最大手アルコール飲料メーカーのThai Beverage (タイ・ビヴァレッジ)が手掛けるBlend 285(ブレンド285)はスコットランド産のモルトを配合したブレンデッド・ウィスキーですし、昨年には同じくThai BeverageからPrakaan(プラカーン)なるタイ初のシングルモルト・ウィスキーも発売されました。これらは正真正銘のウィスキーです。

スーパーのアルコール売場では、いわゆるタイウィスキーとタイの国産ウィスキーが混在し、いよいよややこしい事態に陥ってきました。
いずれにせよ、Hong ThongやMekhongは、タイラム売れ筋No.1のSangSomより扱っている店舗が多いので、SangSomが見つからなかった時は試してみるのもありだと思います。
オススメの飲み方
ここまでいくつかタイラムの銘柄を紹介しつつ、私とツレが飲んでいるのはほぼSangSomです。安さには勝てません。
安酒特有の二日酔い頭痛に見舞われる危険性を考慮し、基本、ストレートやロックは避け、何かしらで割っています。
SangSomの割り材で圧倒的No.1は炭酸水(※ベタですみません)。ホッピー的な感じになり(※例えまで庶民的で重ね重ねすみません)、「ビールは重たいからちょっといいや」っていう日にもってこい。

もし甘いカクテルが好きであれば、コーラ、スプライト、ファンタ、レッドブル、オレンジジュース、マンゴー・ジュース、バナナミルク……(以下省略)、たぶん何で割ろうがだいたい美味しく仕上がるはずです。
あと、私のお気に入りは、温かい紅茶にちょい足しする方法。コクがプラスされ、よく宿に置いてあるリプトンのティーバッグがワンランクUPします。
ほうじ茶や三年番茶との相性も抜群。なお、緑茶、玄米茶、プーアル茶とは互いの良さを活かしきれず、イマイチな結果で終わりました。
最後に

どうですか? 飲みたくなってきましたか? 言わずもがな、ラム酒と果物のペアリングは最高です。タイはフルーツ天国でもあります。
そのへんの屋台で季節のフルーツを買い込み、ホテルの部屋でタイラムを嘗めながら旅の疲れを癒す――こんなふうにして過ごすタイの夜もけっこう良いものです。皆さんもぜひ試してみてください。
※同ページの『タイラムに主要銘柄は?』の項目で掲載している商品画像は公式HPより拝借しました。
ランキング参加中。ぜひ応援クリックお願いします。