バンコクにプチ移住中の知人Dさんに案内され、市内のディスペンサリー・ショップをあれこれ回っていたのですが、大麻販売店の話ばかり連投しても仕方ないし、需要もないので、これをもってひとまず終了とします。
聖地はパホンヨーティンに!?
前々回はプロンポン、前回はカオサンと、意図してツーリストにもお馴染みのエリアを選んだのに対し、今回の舞台となるのはパホンヨーティン。
日系企業も多数出店している老舗デパートのCentral Ladphraoや、若者に人気の商業施設Union Mallの最寄り駅で、駅前には小洒落た飲食店もいくつか並び、何でも揃う便利な地区ではあるものの、観光的な見どころは正直ほとんどありません。
なぜそんな土地にわざわざ降り立ったのかと言うと、ここにはタイの大麻カルチャーをリードしてきたシンボリックな存在、Highland Cafeがあるためです。
Highlandは何年も前から国内最大の大麻フェス〈Thailand 420〉を毎年主催しているほか、常連客にはかねてよりこそっとマリファナを提供していたらしく、その筋ではよく知られたお店。
場所はMRTパホンヨーティン駅の2番出口を出て右手側すぐです。開店時間は420(※マリファナを表すスラング)に引っ掛けて午後4時20分。時間にルーズなタイ人がきっちり守れているかはさておき、こういう細部にも並々ならぬこだわりが……。
ちなみに、ちょっとした名所になっていて、私が来店した日もおじさんYouTuberが通訳担当のタイ人女性とイチャイチャしながら、「これ吸ったらどうなっちゃうんだろうね~」なんて大声で撮影していましたっけ(ぶっちゃけ、ウザかった……)
クリーンな啓蒙活動
店の前にはクラブの黒服みたいな感じでガードマンを配置。未成年かどうか見た目で判断できないお客さんにはIDの提示を求めていました。
バンコク市内のディスペンサリーをあちこち巡ってきたなかで、身分証のチェックをちゃんと行っている場面に遭遇したのは、Highlandのたった1回のみです(※ルール上、未成年はタイで喫煙できません。詳しくはこちらにて)。
合法化前から精力的にこういう活動してきた集団は、てっきり国の機関と対立関係にあるのかと思いきや、実態はその逆。
店の扉には警察官と並んで撮った写真を貼り出し、店内や店先、そしてパブリック・スペースでの喫煙を固く禁じています(入口のガードマンは、お客さんが店の前で吸わないよう監視する任務もあり)。
取り扱っている銘柄はタイで栽培されていて、政府推奨のCBD株もしっかりプッシュしていました。
かつては法の目を盗んで裏取引を行っていたのに、いまでは各省庁とがっつりタッグを組んでいるって、凄い関係性だよな~と感じるのは私だけでしょうか。
規制撤廃を皮切りに、ちゃんと政府の作ったルールに従い、今後はマリファナを正しく啓蒙していこうとする姿勢が見て取れます。
価格帯はどれくらい?
2022年11月時点でのお値段は、CDB株が1グラムあたり250THB、その他は1グラム400~800THBで、ジョイントが1本200~300THB。輸入に頼らないラインナップだからか、一部を除いて比較的安価な印象でした。
1階の販売スペースでは、喫煙グッズやオリジナルのアパレル商品に加え、地元アーティストが手掛けた絵も購入可能。こういう場があるおかげで、間違いなくカルチャー全体は底上げされていくはずです。
店名にCafeが付いている通り、もちろんカフェも併設。その2階のカフェ・スペースについては、先述した日本人YouTuberに気圧されて立ち入れず、レポートできなくてゴメンナサイ。
参考までに、ヘンプ入りのクラフト・ビールが各種250THB前後、CBD配合のソーダが120THB、ヘンプのお茶が50THBでした。パスタやハンバーガーをはじめ、フードにも定評あり(このへんの価格は未確認)。
何にせよ、ドリンクもフードもエディブル・メニューが充実。ショップのコンセプトは一貫しています(※大麻入りじゃないメニューもチラホラあります)。
なお、2階のカフェが喫煙所を兼ねていると噂に聞きつつ、入口のガードマンは頑なに「バルコニーを除いて店内は一切禁煙。店の前もダメ」の一点張り。Dさんも「昔は吸えたんだけど、いまは本当にNGなのかもね」とのことでした。
ただし、「あそこは吸ってOK」とガードマン。彼が指さす先は、地下鉄の駅と繋がっているビルの階段じゃないですか(※写真上)。
マジっすか? これは明らかにいわゆるパブリック・スペースですよね? まあ、確かによく見ると吸い殻が散乱していますけれども……。最後の最後で詰めの甘さというか、タイらしい緩さを垣間見てしまいました。
続々と誕生するインスパイア系
正規ののれん分けか、単なるパクリかはともかく(たぶん後者)、タイ国内にはHighland Cafeを模したディスペンサリー・ショップが点在しています。
私が訪問したところだと、タオ島のSupermaoはまさにそれ。例えばスクリーンを使ったメニュー表が、カラーリングやフォント、レイアウトに至るまで、Highlandとまったく同じでした。
最初は超わかりやすいSupreamオマージュだと思わせておいて(※写真下参照)、その実は見れば見るほどHighlandインスパイア系。こうした店が生まれてしまうくらい、Highland Cafeの影響力は絶大なのでしょう。
よって、どこか1店舗に絞って効率良くディスペンサリーを見学したいとお考えの方には、とりあえずHighland Cafeをレコメンドしておきます。
駅近でアクセス良好ですし、大麻専門店がどんな雰囲気なのか、大枠は掴めると思いますよ(無論、買わなくても大丈夫です。この記事も大麻を推奨するものではありません)。
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