FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

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大麻を解禁したバンコクの現在【ルールについて】

コロナ鎖国期間を挿み、このたび2年半ぶりにバンコクを訪れて一番驚いた街の変化は、大麻ビジネスの拡大ぶりでした。

北米やヨーロッパがグリーンラッシュに沸く最中、アジアで初めてマリファナを解禁したタイ。外国人観光客が多く訪れる首都バンコクの繁華街では、どこもかしかも関連ショップだらけです。

そこで当ブログでは数回に渡り、かの地の大麻事情をまとめてみたいと思います。

さっそく本題へ入る前に、私は非喫煙者です。しかし、日本の法律を一旦脇に置くとするならば、大麻自体をダメなものとも考えていません。そのへんを踏まえ、どうか温かい目で軽~く読み流してくださいませ。

 

そもそもタイの大麻合法化とは?

2022年6月にタイ政府は大麻を規制薬物リストから除外。事実上、合法化しました。ただし、この合法化はあくまでも医療健康管理を目的とした限定的なもの。

娯楽目的での使用は禁止している……というのが政府の主張です。もっとも、医療用のマリファナしか出回っていないわけではありません。

大麻解禁を先頭に立って指揮したアヌティン保健相(副首相も兼任)は、2019年の総選挙で合法化を公約に掲げていた人物。国民との約束を果たすべく、急ピッチで政策を実現しなければならなかったのでしょう。

きちんと法整備する前に合法化へ踏み切ったため、現在のタイはちょっとしたカオスになっています。平たく言うと、法律上では一部解禁のはずなのに、実態はほぼ全面解禁……みたいな。

 

できることとできないこと

そうした状況もありつつ、一応、保健省ではできることやできないことを明文化し、下掲のポスターを積極的に配布(※ダウンロード版はこちらの広報サイトにて)。

緑色の部分はできることリストで、①栽培、②大麻(花序、葉、枝、茎、根、幹、並びにTHC含有量0.2%以下のエキス)の所持、③大麻植物の一部の販売、④THC含有量0.2%以下のエキスの販売、以上の4つを法的に認めています。

真ん中の黄色い部分は許可が必要なものリスト。①植物品種法を順守した上での栽培用の種子や挿し木や苗の販売、②THC含有量0.2%以上のエキスの売買、③製品の製造および販売(大麻由来の食品、化粧品、医薬品などは関連法を遵守)、以上の3つがこれに該当し、②に関しては販売者のみならず購入者にも薬物許可証を義務づけています。

赤色の部分はできないことリストで、①保健省の告示に従った公共の場での喫煙、②妊娠中/授乳中の女性への販売と使用、③未成年者への販売、④許可証のないTHC含有量0.2%以上のエキスの所持、以上の4つを禁じています。

 

ルールはどんどん変わる?

なお、このルールが制定されたのは半年前。その後、一定条件をクリアしていない場合は、室内での喫煙が正式に禁止されたっぽいです(※いままで店内に吸えていたディスペンサリーも、多くが喫煙所を撤去していました)。

また、購入時に薬物許可証の提示は求められず、公共の場での喫煙禁止についても線引きはかなり曖昧。

〈ここでは大麻を吸っちゃダメです〉的なシールを、保健省が商業施設飲食店に配りはじめたらしいのですが、街中で目撃する機会はまだまだかなり稀でした。

ちなみに、公共の場で喫煙しているのは外国人ばかりで、タイ人に関してはほぼゼロ(※カオサン周辺は例外)。当然ながら、周りにきちんと配慮し、時と場所を弁えるのが重要なポイントとなりそうです。

プチ情報として、〈ここでは大麻を吸っちゃダメです〉マークがある一方、大麻喫煙可を大々的に掲げているカフェや飲食店もあります。おもしろいのが、大麻はOKだけどタバコはNGな店も存在する点。日本ではちょっと考えられませんよね。

 

日本人は吸っていいの?

さて、気になるのは日本人がタイで大麻を吸っていいかどうか。外務省のホームページには、こう記されています。

大麻が合法化されている国でも、年齢や所持数量の制限が設けられていたり、免許を受けた販売業者から購入することが義務づけられていたり、国外への持ち出しが厳しく規制されていたりする場合があります。そのような規制に違反した場合には、その国の法律に基づき罰せられるおそれがあります。

また、日本の大麻取締法は、国外において大麻をみだりに、栽培したり、所持したり、譲り受けたり、譲り渡したりした場合などに罰する規定があり、罪に問われる場合があります。そのため、大麻が合法化されている国でも、大麻には決して手を出さないようにしてください。

ついでに、参議院法制局のホームページでも、「海外で国内法に違反する行為をした場合には、原則として国内法が適用されないので処罰できません」とした上で、「法律の中には、日本国外での違法行為に国内法を適用する旨の規定を置き、その効力を日本国外にも及ぼすものが存在します」との文言が……。

大麻の所持は通貨偽造罪や有価証券偽造罪などと同じく国外犯に規定され、海外でも処罰の対象となります。つまり、優等生ぶって書くと、渡航先が合法であっても日本人が手を出すのはアウト。

けれども、現実問題、タイ国内でのルールをしっかり守り、個人的に嗜むぶんには、まず捕まらないと思います。

いちいち取り締まっていられないマンパワー的な理由はさておき、大麻ツーリズムを黙認している事実からも、タイ政府にとってマリファナ解禁が経済政策の一環であることはあきらか。上客をみすみす逃すなんて普通に考えられません。

実際に、マリファナ目的でバンコクへ来ていたと思しき日本人グループをちょくちょく見かけましたし、カフェで喫煙中に警察官が彼らの目の前を通ってもお咎めなしです(※歩き大麻はダメですよ)。

もちろん、万が一、マリファナ絡みでトラブルに巻き込まれ、在タイ大使館に駆け込んだとしても、門前払いされるのは覚悟の上。何があろうと自己責任です。

推奨はしないものの、吸いたい人は自分の判断で勝手にどうぞ……といった感じ。日本で大枚を叩き、隠れてコソコソ吸うくらいなら、いっそタイで思う存分に楽しみたいと考える愛好家がいても、ぶっちゃけ、気持ちはわからなくもないです。

 

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