2022年6月9日にマリファナを解禁したタイ。そのルールについてまとめたこちらの投稿に続き、今回は購入場所や値段の相場を紹介していきます(※2023年5月に一部情報をアップデートして加筆しました)。
「自分では吸わないし、他人にも推奨しない」などと書いておいて、こんな記事をアップするのは矛盾していますかね?
何はともあれ、タイへの大麻ツーリズムを検討している方はもちろん、そうでない方も「こんな世界があるんだな~」みたいなノリでご覧いただけると嬉しいです。
購入場所は?
いま現在、バンコクでは本当にさまざまな場所でマリファナが売られています。「どこで買えるの?」という問いに対して、「わりとどこでも買えますよ」としか答えようがないほど。
国の認可をしっかり受けているディスペンサリー・ショップから、キッチンカー形式の移動販売(※写真下)や屋台まで、ヴァリエーションは超豊富。ちょっとした食堂やカフェでさえ、片隅でさりげなく販売している店がチラホラあります。
なかでも、大手スーパーBIG Cの建物内に仮設の大麻屋が出ていたのには驚きました。冗談を抜きにそのうちセブンイレブンや郵便局で売りはじめても不思議じゃありません。
外国人観光客が多く集まるエリアで購入場所に困ることはまずないでしょう(※サイアムは例外)。こうした状況に最初はカルチャーショックを受けつつ、あまりにもリーフマークを掲げた店が多すぎて、2~3日したら慣れました。
選択の幅は広いものの、やはり一番無難な購入場所はディスペンサリー・ショップかと思われます。ディスペンサリーを直訳すると薬局。転じて、医療用や嗜好用の大麻を合法的に販売する店を指します(※日本ではディスペンサリー=CBD専門店の意)。
ほとんどのディスペンサリーでは、紙やクラッシャーといったアクセサリー類を併売しているほか、店によっては喫煙所を備え、リクエストに応じてボングもレンタルしてくれる至れり尽くせりぶり。
デリヴァリー可能なショップだって少なくありません。ついでに、大麻を吸わない私に対して、CBDグミを無料サービスで出してくれる店までありました。おもてなし精神が凄いです。
【追記①】2023年に入ってタイ政府は大麻政策の見直しを図り、無許可販売の取締を強化。実際、2023年4~5月の再訪時にはキッチンカー形式の移動販売や屋台が激減していました。
一方で許認可を取得したディスペンサリーは明らかに増加中。依然として購入場所に困ることはないと思います。
購入方法は?
ディスペンサリーでも屋台でも、ツーリストを相手にしている店では、1グラム単位から取引するのが一般的(※ジョイントも売っています)。ディスプレイ方法はどこもほぼ同じで、ズラリと並んだ瓶から好みの品種を選び、それを店員が量り売り。
花序についたキラキラが見やすくなるよう、ケースにマイクロスコープをつけたり、LEDライトをつけたりして、皆さん、よく工夫されています。
そもそも日本人の愛好家にしてみれば、たくさんの種類から選べる時点で、もうワクワクが止まらないんじゃないでしょうか。
非喫煙者の私でさえ、スヌープ・ドッグの名前を冠したSnoop's Dreamや、ウィズ・カリファが全面プロデュースするKhalifa Kushを発見した時は「おおっ!」となりました。
瓶を開けて匂いを嗅ぐのはOKで、直接手に触れるのはNG。匂いを嗅ぐ場合は店員さんにひと声掛けるのがスマートです。何となく化粧品のテスターを試すのと似ている感じがしました。
正直、私は大麻の匂いを全然良い香りとは思わず、嗅いだところでどれがハイグレードかもさっぱりです。
とはいえ、いまバンコクで観光客向けに売られている品々が、過去にタイやカンボジアの街角でプ~ンっと漂っていた香りとまったく別次元なのはわかりました。マジで強烈です。嫌いな人には耐えられないかも。
そうそう、購入に際してもう1つお伝えしておきたいポイントがあります。いくつかのYouTubeチャンネルでパスポートの提示がマストと言っている動画を観ましたが、マストではありません。
IDチェックは未成年か否かを確認するためのもの。9割方の店ではIDチェックを行っていないし、酷い例だと白人カップルの彼女側がノリノリの彼氏を横目に「私は19歳で大麻は吸えない」と拒否しているにもかかわらず、「マイペンライ。タイは合法だよ」と、半ば強引に売りつけていた店も目撃しました。
とにもかくにも、20代前半の方や童顔を自負する方はパスポートを忘れずに。というか、一応、タイでは外国人にパスポートの常時携帯を義務づけています(※参考までに、私自身、パスポート不携帯で咎められた経験は一度もありません)。
良いショップの見分け方
どんなにハイグレードなブツを仕入れている店であっても、杜撰な保管方法ではどんどん商品が劣化してしまうらしいです。
そのあたりは、湿度や温度や光で味が大きく変わる緑茶の茶葉をイメージしていただけば、わかりやすいでしょうか。
タイでマリファナを扱う店は、①店頭に売り物をドンッと店頭に並べているショップ、②店頭にはサンプルだけを並べ、品物はレジ裏などで保管しているショップの2つに分かれます。
タイは年間通して高温多湿。加えて、直射日光や照明の光も天敵です。よりクォリティーを求める上級者は、管理方法に留意して店探しするのもあり。
全体の割合は①のほうが多く、そのなかで②のスタイルを採用しているお店は、素人目に見ても俄然こだわりを感じました。
値段の相場は?
値段は店ごとでまちまち。また、インポートもの(主にアメリカ産)かタイ産か、さらにはインドア栽培かアウトドア栽培かでもかなり異なります。
それを前提に、概ねカオサン周辺に比べてスクンビット周辺は少々高め。あくまでも目安として、スクンビットではインドア栽培のカリフォルニア産が1グラムあたり750~1100THB(約3000~4300円)、タイ産はその価格の5~6割程度。
対するカオサンでは、カリフォルニア産もタイ産もスクンビット相場からマイナス100THB前後で売られていました(※2022年11月時点)。
こと外国品種に関しては、タイの一般庶民が気軽に手を出せる価格じゃありません。国産品だってこの値段(400~500THB)じゃ普通に高いはず。
でもそこはタイ人用と外国人用を分けた二重価格が存在する国ですから、当然の如くローカル向けのお手頃な大麻(※主にタイスティック)もガッツリ流通しています。
私たちがバンコクで見つけた最安値は、オンヌット通りの露天商(主力商品は花や野菜)。上掲の写真は10グラムで100THBです。タバコよりも安くてビックリ。
ちなみに、このギュッとプレスしたブロック型の形状はタイ特有のスタイルだとか。もし大麻目的でタイへ行くのだったら、1度くらい地元っ子と同じネタを試してみるのも手でしょう。
【追記②】タイにおける大麻の価格は概ね下落傾向にあります(※2023年5月時点)。S級ネタが思いのほか売れていないのか、グラム単価で1000THB以上するものは半年前に比べてそれほど見なくなりました。
また、タイ国内の栽培技術が飛躍的に向上し、海外産あることをウリにしている店が減った点も、価格下落の要因になっている模様です(※種は輸出し、グロウは国内というパターン)。
需要と供給のバランス
法律が変わって以降、雨後の筍さらながらに大麻ビジネスが乱立しているバンコク。たまたま会話した地元のグロワーさんは、「期待したほど売れないんだよ」と嘆いていましたっけ。
彼の言葉を聞かずとも、需要と供給のバランスが全然合っていないのは一目瞭然。外国人のみんながみんなマリファナを吸いにバンコクへ来るわけじゃありません。
思いっきり値崩れするのか、もしくは、値段は据え置きのまま賞味期限の切れた粗悪品が平然と出回るのか……。近い将来、解禁直後の狂乱的な大麻バブルが落ち着き、2023年5月の総選挙を前後して何らかの変化は起こる気がします。
ルール作りも含め、まだまだタイのマリファナ市場は発展途上。言い換えると、過渡期だからこそのおもしろさが詰まっています。そして、こういう過渡期に立ち会えたのは、吸わない派の私にとっても特別な経験になりました(ので、次回以降もしばらく大麻ネタの記事を続けます。書きたいトピックが多すぎる!)。
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