前回の投稿で軽く予告した通り、これより数回に分けてパンガン島の大麻スポットを紹介していきたいと思います。第1弾はPhangan Cannabis Club(パンガン・カンナビス・クラブ)。
本題へ入る前に、以下の記事内でマリファナ解禁後のバンコクの様子をレポートしていますが、ルールや購入方法などはパンガン島のあるスラータニー県もほぼ変わりません。
また、私自身は非マリファナ喫煙者であり、決して大麻を推奨しているわけじゃない旨も改めて強調しておきます。
半官半民の大麻施設
Phangan Cannabis Clubへのアクセス方法は、トンサラ桟橋からKoh Phangan Hosipital方面へ向かって幹線道路を北上し、2~3km進んだところで右折(※看板が立っています)。さらに細い道を500mほど進むと到着します。
まず規模のデカさにビックリ。周囲には何もなく、突如として謎の施設がドンと出現する様子に、バンコクで飽きるほどディスペンサリー・ショップを見て回った私ですら、かなりの衝撃を受けました。
ディスペンサリーというよりも、農場のなかに販売店が併設されていると説明したほうが適しているでしょうか。躊躇っていても仕方がないので、手作り感たっぷりのオブジェ(※写真上)に迎えられるがまま、敷地内へ足を踏み入れてみました。
内部は1つの小さな村のような雰囲気。そこら中にマリファナが生い茂り、いくら合法といえども嘘みたいな空間が広がっています。
何でもPhangan Cannabis Clubは、スラータニー県に拠点を置き、地域の環境課題や教育/労働問題に向き合っているNPO団体のEco Thailandと、そして大麻の合法化を促進させてきたタイ保健省が全面サポートしているんですって。
てっきりお金持ちの地主が冗談半分で作った珍スポットかと思いきや、めちゃくちゃ真面目な施設だったんですね。勝手に早合点して申し訳ないです。
この自由度の高さは何だ?
敷地の手前にある販売スペースでは、バッズはもちろん、お茶や石鹸をはじめとするカンナビス由来の製品に加え、800~1000THB程度で苗まで売られています。
ネタの種類はそれほど多くないものの、地元産を中心にラインナップ。パンガン島やお隣のタオ島の名前を冠した銘柄が並び、この施設内で育った品種もチラホラ目につきました。
こうしたご当地モノは1グラム150~200THBと比較的リーズナブル(※とはいえ、1グラム150~200THBは観光プライスで、ローカルはもっと安価で個人売買しています)。
購入したマリファナは指定の場所(※写真下)で吸うことも可能で、リクエストに応じてボングもレンタルしてくれます。
休憩がてら喫煙所をちょっとだけ覗いてみると、スタッフの1人がすやすやと昼寝していました。狭苦しい屋内の喫煙所ではなく、開けたロケーションが凄くないですか? そりゃ、昼寝もしたくなりますよ。
ハイシーズンにはバー営業をしているほか、不定期でDJパーティーや大麻の品評会も開催しているとか。政府機関も深く関わっている施設がこんなに自由だなんて、日本では考えられないです。
地域活性化のための大麻産業
タイでマリファナが合法化されて9か月強。もともとは医療や健康管理を目的とする限定的な解禁だとアナウンスされていたのに、蓋を開けたら事実上オールOK状態で、国内ではまだまだ混乱が続いています。
政権内でも異を唱える声が噴出し、今年1月には解禁前と比べて中毒者の数が4倍に増えたとのデータも出ていましたっけ(※採取したデータの数が少なすぎて、客観的には信憑性に欠ける感も否めませんでしたが……)。
私自身は大麻成分の良し悪し以上に、きちんと法整備する前に合法化を急いでしまった過程に問題があったのではないかな~と考えています。で、そうした段取りの悪さを踏まえたら、諸々のネガティヴな意見が上がるのは至極当然。
しかしその一方で、現に大麻産業の発展が外国人観光客の誘致に一役買っていたり、コロナ禍で失業した人がこのビジネスによって生活を立て直しを図れたり、ヤーバー中毒者が減少したりと、ポジティヴな面も見過ごせません。
長らくマリファナを完全悪扱いしてきた日本人の感覚からすると、なかなかイメージしづらい領域の話ではありつつ、あくまでも国のルールに則って地元の農業を活性化させ、しっかり雇用も生んでいるPhangan Cannabis Clubの存在は、もっと広く知られるべきだと感じました。
それこそPhangan Cannabis Club発のご当地品種が今後どんどん改良され、仮にカンナビス・カップ入賞など、世界的な評価を得られれば、島には莫大な利益がもたらされるはず。そんなこんなで、私はけっこうPhangan Cannabis Clubの動きに期待を寄せています。
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