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【カンチャナブリー裏観光】悪名高きTiger Templeの跡地と苦境に立つ動物保護施設の話

前々回の記事(とオマケ的な前回の記事)で投稿したTham Krasae Bridge(タムクラセー橋/สะพานรถไฟ)に向かう途中、見覚えのあるトラの門を発見。

かつては「いつか必ず行ってやる!」と心に誓いながらも、さまざまな疑惑が露呈して心底ガッカリさせられたTiger TempleことWat Pha Luang Ta Bua(ワット・パー・ルアン・タ・ブア/วัดป่าหลวงตามหาบัว ญาณสัมปันโน)の跡地じゃないですか!

恐る恐る足を踏み入れてみました。以下、皆様を不快にさせてしまうであろう表現も多数含みます。何とぞご了承くださいませ。

 

Tiger Templeとは?

1994年建立のTiger Templeはトラと僧侶が共に暮らしていた寺院。参拝客もトラとガッツリ触れ合え、一緒に写真撮影する様子や散歩する様子、赤ちゃんトラにミルクをあげる様子が大きな話題となりました。

日本でもNHKの『地球ドラマチック』、TBSの『世界・ふしぎ発見!』、日本テレビの『世界まる見え!テレビ特捜部』をはじめ、さまざまなメディアで取り上げられていたので、うっすら覚えている方も少なくないでしょうか。

ところが、人気絶頂の2000年初頭に動物愛護団体が「Tiger Templeはトラを虐待して金儲けしている施設だ!」と猛批判。

国の調査によって虐待の疑いは一旦晴れるも、観光客がトラに襲われたり、トラへの薬物使用や違法取引の疑惑が浮上したり、その後もスキャンダルが絶えませんでした。

そして、2016年5月末に寺院は封鎖。お寺にいた147頭のトラは野生動物当局に保護されました。なお、住職の部屋からトラの毛皮で作った大量のお守りが見つかったほか、寺院の冷凍庫から生後間もないトラの死骸が40頭ほど出てきたとか。

さらに、多くのトラが近親交配だった事実も判明し、保護からわずか3年の間に86頭のトラが呼吸器疾患ウイルス性感染症で命を落としています(※主な情報ソースはCNNのサイトです)。

 

Tiger Templeのいま

そんな悪名高きTiger Temple。入口周辺にはいまも巨大オブジェが放置されています。強制封鎖から8年近く経っているのに、まだ撤去されていないのも驚きなら、ゲートの前に露店が出ているのもビックリ。

幹線道路沿いの好立地につき、地元客を狙ったフルーツの行商がいるのは理解できるとして、ツーリスト向けのキーホルダーポストカードを売っている人もいました。私とツレみたいに跡地を訪ねてくる物好きは案外多そうです。

ゲートを潜ってしばらくは赤土の道※写真上)が続くものの、そこを抜けると雑草がボーボー。牛の糞らしき物体が大量に落ちていました。

この先はおそらく何もない雰囲気。3~4年前までは残っていたとされるも、世界的な鋼材価格の高騰が原因なのか、一切見当たらなかったです(※昨年はタイで起きた鋼材関連の窃盗ニュースを何度か目にしました)。

 

窮地に陥る動物保護施設

Tiger Temple跡地にはあまり長く滞在できませんでした。長居する場所じゃないっていうのもありつつ、尋常じゃないワンコの吠声が聞こえてきて、とてもその場に留まれなかったんです。

「近くに殺処分場でもあるのか?」と去り際に嫌な想像をしてしまいましたが、よくよく考えたらここはタイ。敬虔な仏教徒の国だけあって、法律により犬は殺処分されません。

近年、たびたび取り沙汰される「首都バンコク野良犬が減っている」なんて話も、別に駆除されているわけじゃなく、避妊手術や去勢手術後にバンコク郊外の動物保護施設へ収容されています。

施設に収容する行為自体をよしとしない声も上がって当然。しかし、狂犬病のリスクが払拭されない以上、そこに住む人々を守るためにも致し方ないのかなと私的には思っています。

で、カンチャナブリーにもスラシー動物園の約10km奥に位置するSAS ThailandSASタイランド)や、カオレーム国立公園を超えたあたりに建つSangkhlaburi Animal Sanctuary(サンクラブリー・アニマル・サンクチュアリー)といった保護施設が多数存在。

気になってTiger Temple付近を検索してみると、Animal Welfare Foundation(アニマル・ウェルフェア・ファウンデーション ※上掲マップ参照)なるスポットを見つけました。Tiger Templeで聞いた声の主は、ここに住むワンコだと思われます。

ちなみに、捕獲された野良犬に加え、現在、捨て犬も急増。タイでは空前のペット・ブームが起こり、一部の心ない人による飼育放棄が社会問題となっています。

結果、バンコク近郊の動物保護施設は過密状態。そのうえコロナ不況で寄付が大幅に減り、多くの団体が窮状を訴えっていることも先日知りました。

あの時、ワンコのただならぬ吠声に耐え切れず、そそくさと立ち去ってしまった自分を後悔。わずかな足しにしかならなくとも、可能な範囲で支援するべきでした。

このページを読んで関心を持っていただいた方へ、保護されたワンちゃんが収容先でも幸せな毎日を過ごせるよう、もしタイ訪問時に動物保護施設の近くを通ったら、ぜひ足を運んでみてください。今回の反省を活かし、今後は私もそうします。

 

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