FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

旅のこととか、旅に関する本のこととか。

【カンチャナブリー観光】旧泰緬鉄道のタムクラセー桟道橋で平和を願う

今回はカンチャナブリー県の重要な環濠資源であるナムトック線(旧泰緬鉄道)の中でもハイライトの1つに数えられるTham Krasae Bridge(タムクラセー桟道橋/สะพานรถไฟ)とKrasae Cave(クラセー洞窟/ถ้ำกระแซ)について。

 

SNS時代にバズった戦争遺産

第二次世界大戦中に日本軍がビルマ・インド侵攻作戦に向けて造り、多くの犠牲者を出した泰緬鉄道。別名はDeath Railway

「枕木一本、死者一人(※鉄道建設に使用された枕木の数と死者数が同じ)」などと言われ、現在は反戦の象徴としてユネスコ世界遺産への登録をめざしています。

完成時の全長は415km※現在の終着駅はミャンマー国境手前のナムトック)。とりわけ建設にあたっての3大難所となったのが、写真上のThe Bridge Over River Kwai(クェー川鉄橋/สะพานข้ามแม่น้ำแคว)とChungkai Cutting(チョンカイの切り通し/ช่องเขาขาด)、そして本稿の主役=Tham Krasae Bridge※写真下)です。

ちなみに、日本語だとアルヒル桟道橋と表記されるケースもありますが、現地ではほぼ通じません。

連合国軍の捕虜が矢の如く鋭い岩壁を「Arrow Hill!」と表現するも、日本兵LとRを上手く発音できず、アルヒルカタカナ英語化。日本限定でアルヒル桟道橋なる呼称が広まったらしいです。

約300mに渡ってS字カーブが続くTham Krasae Bridgeは、いまでも現役で使われていて、列車通過時には時速5kmまで減速するルールなんだとか。

片側には緩やかなクウェー・ノイ川が、もう片側には人力で掘削された剥き出しの岩壁が望めます。列車が通るのは毎日上下線2本ずつ。

それ以外の時間帯は徒歩で往来可能です。普通に毎日使われている線路の上を誰もが自由に歩けるって凄いですよね。

岩壁×川×線路の組み合わせは不謹慎ながらめちゃくちゃ映えます。実際、SNSでバズリ中。いわゆる負の遺産であることを忘れるくらい、周りにいた観光客はセルフィーを撮りまくっていました。

 

鎮魂の思いも込めて……

Tham Krasae Bridgeを見学したら、線路の隣にあるKrasae Caveの参拝もお忘れなく。洞窟内には仏像が鎮座。この場所がいつ頃からお寺の機能を持っていたかは調べてもわかりませんでした。

ひとまず、ラーマ5世(1868~1910年に在位)が訪れたとの記録は見つけたので、世界大戦以前よりタイ国民にとって大切なパワースポットだったはず。黄金に輝く仏像のさらに奥にはラーマ5世像も置かれていました。

旧日本軍は鉄道建設中にこの洞窟を捕虜の寝床に活用。劣悪な労働環境のせいでコレラが大流行し、死者の増加に繋がったと言われています。戦争なんて本当にロクなもんじゃないです。

こちらの記事でも書いた通り旧泰緬鉄道の世界遺産登録をめざす過程で、タイ政府は日本との関係を考慮し、「建設時の残虐性は強調しない」とコメント。

でも、戦争の悲惨さを後世に伝えるためには、日本が犯した残虐行為も包み隠さず公式の資料に残してほしいところ。歴史は変えられなくても未来は変えたい。鉄道建設に従事された人々の苦難を絶対に無駄にしちゃいけない気がします。

なお、洞窟寺院の拝観料は無料。入口ではお線香が10THB(約40円)で売られています。命を落とされた方々への鎮魂の思いも込め、ぜひお線香を焚いて手を合わせてみてください。

 

アクセス方法は?

最後にアクセス方法を。バンコクトンブリー駅からナムトック線に乗車すると、先述した3大難所は網羅できます(※電車での行き方はこちらで簡単にまとめています)。

Tham Krasae Bridgeの上をご自身の足で歩きたい場合は、7時45分トンブリー駅発の電車に乗って、タムクラセー駅で下車。到着予定時刻は11時50分です。

帰りは13時34分タムクラセー駅発の便に乗車。終点のトンブリー駅には17時40分着予定です。列車を利用したバンコク発の日帰り旅行はこのスケジュール一択。

カンチャナブリー市街地からは約50km。バイクやソンテウ1時間程度でした。また、手軽な半日ツアーにも高確率で組み込まれています。

 

そんなこんなで柄にもなく厳粛な気持ちで沈思してしまったものの、これだけでは終わらないのがタイ。次回はタムクラセー駅周辺で見た珍光景をレポートします。予め書いておくとしょうもない小ネタです。

 

【お知らせ】東南アジアで買い付けてきたアイテムを販売中。春夏は水着やリゾート服を中心に、秋冬はアクセサリーを中心にラインナップしています。ぜひチェックしてみてください。

farout.theshop.jp

 

ランキング参加中。ぽちっとしていただけたら嬉しいです。

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村