FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

旅のこととか、旅に関する本のこととか。

タイでもっとも有名な地獄寺、Wat Phai Rong Wuaはウワサ以上に凄かった!

何もしないまま正月三が日があっという間に終了。初詣にすら行っていません。ならばブログで初詣気分を味わおうと、新年1発目はお寺ネタにしてみます。

ここでご紹介するのは、昨年に訪れた神社仏閣のなかで断トツ印象深かったWat Phai Rong Wua(ワットパイロンウア)。ちょっとした人気スポットです。

 

地獄寺とは?

タイ全土には地獄寺と呼ばれる寺院が点在。数にして80から100近くあるとも言われ、Wat Phai Rong Wuaもそのうちの1つです。

地獄の恐ろしさを可視化し、ある種トラウマを植えつけることで、「地獄に堕ちないよう日頃から善行を積みましょう」と人々に説く地獄寺。

日本にもかねてより相当数の地獄寺マニアがいて、2018年には研究家の椋橋彩香さんが執筆された『タイの地獄寺』なる書籍までお目見えしています。

かれこれ十数年前、私もめちゃくちゃ地獄寺へ行きたがっていた時期がありました。けれどもズルズル後回しになり、いつしか存在自体を忘れかけていたんです。

そんな折、コロナ禍で暇を持て余していた私は、久しぶりに宮田珠己さんの『東南アジア四次元日記』を手に取り(※詳しくはこちら)、地獄寺ブームが再燃。その流れで『タイの地獄寺』も読み返しました。

そして基礎知識を脳みそにインストールし直し、かつての夢を叶えるべく、いざバンコクから一番近い地獄寺Wat Phai Rong Wuaに足を踏み入れたのであります。

 

天国と地獄

敷地面積は、だいたいタテ1000m×ヨコ650m(Googleマップ上でアバウトに計測)。東京ドーム13~14倍って計算で合っていますかね。とりあえず広いです。

お寺のメインを張るのは高さ50m超えの真っ白な巨大仏※写真上)。その周りを一方向に向かって鎮座する大量の大仏も壮観でした。

他にも豪華絢爛な本堂仏手石など、たくさんの見どころがあり、時間の都合でその一部をチェックできなかったのが悔やまれてなりません。

地獄エリアがあるのは、そうした広大な敷地の一角。地獄だけでなく、Wat Phai Rong Wuaにはちゃんと天国も用意されていてほっとしました。

さて、いよいよ目当ての地獄寺へ。入口ではでっかい赤い鬼がこん棒を持ってお出迎え(※写真上)。遠くからでもよく見えます。

左上の写真はDVその①旦那から嫁へ、右上の写真はDVその②嫁から旦那へ。続けて、左下の写真は知らないおじさんの排泄物を処理する様子。右下の写真はワニとトラに挟み撃ちされる様子。急所を狙われて大ピンチです。

臨場感に加えて手作り感にも溢れまくったオブジェは、どれも表情豊か。1つとして同じものがありません。ヘタウマな世界観に思わず顔がほころび、シャッターを押す手が止まりませんでした。

 

五戒を破った者たち

パッと見た限り、「こんなんされたら嫌じゃね?」的なノリ一発でテキトーに置かれている気がしなくもないセメント像たち。しかし、仏教の教えに則って、それぞれに明確な意味があるみたいです。

生前に殺生を行った人は、地獄では体の一部(主に頭)がその動物になったり、自分が与えた苦しみを今度は動物からやり返されたりします。

言わずもがな、これは「五戒の1つである不殺生戒を守らなければ、死後あなたはこうなりますよ」といった警告。

上掲の写真左下の方は、生前にカメを虐待したのでしょうか。あの世でカメ人間にされた挙句、獄卒に甲羅をグサグサ刺されるなんて怖すぎます。

棘の木は不邪淫戒の定番モチーフ。つまり、現世で不倫した人はこのトゲトゲの木を登り降りさせられます。

木の下では猛犬が、てっぺんでは猛鳥が、お腹を空かせてスタンバイ。登りきっても落下しても食いちぎられるため、間を行き来する以外に為す術はありません。

不妄語戒を破る(=嘘をつく)と舌を抜かれるのは日本と同じ。それにしても、ここまで舌を伸ばすんですね。やるならスパッと引っこ抜いてほしいです。いたぶり方が尋常じゃない。

なお、五戒の残り2つ、不偸盗戒不飲酒戒は見つけられませんでした。きっとどこかに紛れているはずで、私の知識が足らないばかりに見落としている可能性大。もう少し勉強して必ずやリヴェンジします。

 

地獄の亡者と餓鬼

前項でピックアップしたのは、主に獄卒から苦しめられている亡者。一方、この見出し内にピックアップしたのは、身体が変形変色し、自分で自分を苦しめる餓鬼です。Wat Phai Rong Wuaでは餓鬼タイプのほうが多く確認できました。

が異様に伸びている者(※写真左上)、臓器が剥き出しになっている者(写真右上)、が巨大化した者(※写真左下)、さらにはが窄まって食事を摂取できなくなった者(※写真右下)が、その一例です。

地味にしんどそうだな~と思ったのは、顔が足の裏になってしまった下掲の写真の方。何とも言えない悲しげな表情を浮かべています。

椋橋さんの解説よると、地獄の亡者と餓鬼とでは犯した罪が異なるのだとか。亡者は五戒を破って他人を傷つけたのに対し、餓鬼は己の内面に問題あり。

ケチケチしている人や、困っている相手に施しを与えなかった人が、あの世で餓鬼と化すらしいです。

誰かを傷つけた人間は亡者となって誰かに傷つけられ、強欲で性格の悪い人間は餓鬼となって自分自身を痛めつける。因果応報ってやつですね。私もしっかり心に刻んでおきます。

どうですか、地獄寺。奥深くないですか? ブログやYouTubeのネタとしては手垢のつきまくった感もありつつ、実際の光景は想像以上に壮絶でした。

まさに百聞は一見に如かず。興味のある方はマストで足を運んでみてください。激オススメです。

……という流れで、本稿の最後にWat Phai Rong Wuaへの行き方をお伝えするつもりでしたが、ここまで書いて疲れちゃいました。地獄にエネルギーを吸い取られたかな。この続きはまた次回。

 

【お知らせ】東南アジアで買い付けてきたアイテムを販売中。春夏は水着やリゾート服を中心に、秋冬はアクセサリーを中心にラインナップしています。ぜひチェックしてみてください。

farout.theshop.jp

 

ランキング参加中。ぽちっとしていただけたら嬉しいです。

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村