【1月10日追記】アヌティン副首相兼保健相が外国人旅行客に対するワクチン接種義務を撤回しました。PCR検査や陰性証明書も不要です(※詳細は在タイ日本国大使館のHP『タイ入国時規制の再度の変更について(1月10日続報)』にて)。
この数日のドタバタ劇はいったい何だったんだ? タイにはいつもハラハラドキドキさせられっぱなしです。
撤回に伴って同ページは削除すべきかとも思いつつ、また1つタイに振り回されてしまったトホホな思い出として、備忘録用に残しておくことにしました。
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明日1月9日にタイの入国ルールが変わる模様です。入国規制を完全に撤廃したのが3か月前の2022年10月1日。まさかの展開に私は動揺を抑えられません。今回はこのフレッシュな話題について。
なお、前回の記事の終わりに「次回はWat Phai Rong Wua(ワットパイロンウア)への行き方を紹介します」と予告しましたが、地獄寺へのアクセス方法はもう1回後ろに倒します。
新しい渡航ルールとは?
以下、1月8日に在タイ日本国大使館のホームページで更新された『タイ入国時の規制の変更について(続報)』より、一部の文章を抜粋させていただきました。
これはタイ政府が発表したものじゃなく、タイ航空当局(CAAT)からの通達を日本語に訳したものです。くれぐれもご注意を(※タイ航空当局による原文はこちら)。
タイに渡航する乗客への入国時の必要事項
1. 新型コロナワクチンに関する書類
18歳以上の乗客は、以下のいずれかを提示する必要がある。
- 新型コロナワクチン接種完了証明
- 新型コロナ感染から回復して6か月 (180日)以内であることを示す医師の手紙
- 新型コロナワクチンを接種していない人は、接種しない医学的理由に関する医師の手紙
(大使館注)ワクチンの必要接種回数は、ワクチンの種類によって1回、2回、3回と異なります。
詳細は、下記サイトをご参照ください。
https://www.caat.or.th/th/archives/70516
2. 新型コロナの治療費を含む保険
- タイからの帰国時に新型コロナを理由に入国制限のある国(大使館注:例えば、タイ出国前に新型コロナ陰性証明を取得する必要がある国)からタイに入国する乗客は、新型コロナの治療費をカバーする旅行保険に加入していなければならない。
- 保険加入期間は、タイ滞在期間プラス7日間必要。
3. 以下の乗客は、上記1及び2の書類の提示が免除される。
- 18歳未満の乗客
- タイのパスポートを保持している乗客
- 航空機乗り継ぎのみで、タイに入国しない乗客
4. 航空会社は必要に応じて上記1及び2の必要書類を確認する必要がある。
乗客がこれら必要書類を提示できない場合、搭乗は拒否される。
5. 飛行機搭乗中に新型コロナの症状のある乗客は、タイ到着時に検査を行うことが推奨される。
要するに……
お役所的な文章を解読するのが大の苦手なツレに向けて、上記のお達しをちょっぴり噛み砕いて説明させてください(私信でスミマセン)。
- ワクチン3回接種:接種証明書のみでOK
- ワクチン2回接種:接種証明書、医療保険の加入(滞在日数+7日間)、帰国時の陰性証明書が必要
- ワクチン1回 or 0回接種:ワクチンを接種できない身体的理由、または6か月以内にコロナから治癒したという医師の診断書、医療保険の加入(滞在日数+7日間)、帰国時の陰性証明書が必要
日本で打たれているワクチンはファイザーかモデルナかノババックス。これら3種類のうち2回以上の接種が済んでいれば、微妙に条件は違えども入国できるテイです(※一部のワクチンは1回接種でもOK。詳しくは下掲の一覧をご参照ください)。
わかりづらいのは医療保険と陰性証明書の要件。現在の日本の水際対策を確認したところ、有効なワクチン接種証明書を持っている人、つまり該当するワクチンを3回以上打っている人は、検査証明書が不要です(※中国からの入国者は除く)。
したがって、タイ航空当局の通達をそのまま受け取ると、ワクチン2回接種者は「日本での入国制限がありの人」とみなされ、保険に加入し、帰国便の出発予定時刻72時間前までに検体採取した陰性証明書を提示しなければいけません。
1つ補足として、バンコクで邦人向けにPCR検査や抗原検査を行ってくれる医療機関、DYMインターナショナルクリニックについて、こちらの記事内でちらっと触れています。ご参考まで。
【1月9日追記】非ワク派への救済措置として、必要書類を用意できない人は到着港で検査を受けられる旨が報道されました。
また、海外保険は保障額が1万ドル以上とのこと。1か月の滞在でエイチ・エス損保が1万円弱、AIG損保が3万円前後でした。
いずれにせよ、タイ政府からの公式発表は現時点でまだなく、そうとうバタバタしている雰囲気。近々で渡航のご予定がある方は引き続き最新情報を逐一ご確認ください。
ルール変更の経緯
今回の新たな入国措置は、信じられないスピードで明日の適用開始へと至っています。保健大臣が匂わせ発言をしたのは1月5日。翌6日にはマスコミが憶測記事を書き立て、SNS上はプチ混乱に。
そして、7日の午後にタイ航空当局が各航空会社へ新ルールを通知し、同日の22時には大使館が在タイ日本人宛てにメールを送信。日付変わって本日未明に先の文章がホームページ上にもアップされた流れです。
本当にこのルールをしっかり回せるのかは甚だ疑問。というのも、国によって帰国時の規定は異なります。「この日本人は2回接種だから保険に入ってもらって、この日本人は3回接種だから保険なし」みたいに、空港職員が短期間で各国の決まりを把握するのは不可能だと思いませんか?
それに、日本はちょうど3連休の真っ只中。いくらワクチンを打てない身体的な理由や6か月以内にコロナに感染していた事実があっても、一両日中に渡航予定のある非接種者が医師の診断書を受け取るのは至難の業です。
言わずもがな、タイ航空当局が新ルールの導入を急いだのは、中国のゼロコロナ政策撤廃に伴う感染拡大に加え、間近に春節を控えているから。
とはいえ、超大国・中国に牙を剥くのはまずいだろうと判断した保健省が、「特定の国だけをターゲットとした差別的な措置はとらず、すべての入国者に同じ規制を課す」といったコメントを発表しています。
気持ちはわかる。だけど、結果的に思いっきり非ワク者差別に陥っている感も否めません。何より、あまりにも早い決断が中国を含む全世界の航空業界を大困惑させてしまっていますからね。
そもそも1月5日時点では、「2023年1月31日までの限定的な措置」と報じられていました。そのあたりも気になるポイント。まだ正式なアナウンスを出していないタイ政府は、これらの問題をどう丸く収めていくのでしょうか。
もっとやり方はあるだろ!
誰にでも旅行する権利があります。その旅行をするためにワクチン接種が義務づけられているのなら、やっぱり原則として打たなくちゃいけないし、嫌なら旅行しなきゃいい――私の考えはざっくりこんな感じ。
義務を果たさず権利ばかり主張するのは、単なる駄々っ子でしかないと思います。だから新ルールが発表されてしまった以上、残念ながら非ワク派のツレは甘んじてそれを受け入れる以外にありません。
でもね、今回の規制はフラットに見てもかなり歪だと思うんですよ。ワクチンを打っていてもコロナには感染します。2~3回接種している友人や知人も相当数コロナに罹りました。
それなのに、2回以上接種している人は例えコロナに感染中でもタイに入国できます。一方、非ワク派の人はコロナに感染していなくても医師の診断書なくして入国できません。
規制を強化するにしても、陰性証明を提出させるとか、もっとやり方はあるはず。本来の目的に立ち返り、どうにか上手い具合に軌道修正していただきたいです。
私たちが次にタイへ行くのはソンクラーンの時期。接種済みの私としてはツレにもワクチンを打ってもらいたいけど、強要できるものじゃないですし、ある程度の接種間隔を要するとなると、これから2回打つのは無理。
飛行機はキャンセル不可の格安航空券をゲットしてしまいました。よって、バンコクでトランジットしてカンボジアかラオスに入るプランBも考え出しています。
ただし、「深夜着なので1回入国手続きをしなければいけないんじゃないか。その場合は“航空機乗り継ぎのみで、タイに入国しない乗客(※3-3部分)”にあたらないのでは?」など、モヤモヤでいっぱい。プランBすら厳しいかもしれません。
幸い、まだ時間はあります。春節の訪タイ中国人の数が落ち着き、噂通り2023年2月1日からふたたび規制緩和されるよう、いまはひたすら祈るのみですかね。
※この記事で紹介している内容は、2023年1月8日現在のものです。最新の情報はタイ国政府観光庁や各航空会社などの公式サイトをご確認ください。
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