FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

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マミヤ狂四郎『アジア裏世界遺産 とんでもスポットと人を巡る28の旅』|読書旅vol.65

集中力をどこかに置き忘れてしまったのか、ここ数日、どうにもこうにも注意散漫気味です。こういう時は真面目に読書しようとしても頭に入ってきやしません。

そこで、何も考えずにゲラゲラ笑え、かつ、くだらない挿画が多めの本を選ぼうと、マミヤ狂四郎さんの『アジア裏世界遺産 とんでもスポットと人を巡る28の旅』(幻冬舎文庫)を手に取ってみました。

ちなみに、〈何も考えずにゲラゲラ笑えて、くだらない挿画が多めの本〉なんて書くと、さもバカバカしい内容かと思われるでしょうか。それに関しては一切否定しません。まさにその通りの一冊でごさいます。

 

世界遺産へようこそ

GO羽鳥名義でロケットニュース24の編集長を務め、はてなブログ羽鳥商店』ではロケットニュース24のこぼれ話やボツネタを投稿されているマミヤさん。

『羽鳥商店』の〈ロケットに載っていたことをあらためて確認しに行くシリーズ〉とかけっこう参考になったりして、実際、大葉漬けも美味しかったです。

www.gohatori.com

そんなこんなで、GO羽鳥さんというお名前のほうが知られているのかもしれませんが、『アジア裏世界遺産』の感想文を書くこの記事内では、本著の名義=マミヤ狂四郎さんで統一させていただきます。

マミヤさんはクーロン黒沢さんとも旧知の仲で(※数回前に当ブログで取り上げたクーロン黒沢さんの『裏アジア紀行』の記事はこちらから)、アングラゲーム業界の著作権無法ぶりをレポートした『暗黒アジアンハッカー』(1999年)などを共著。

『アジア裏世界遺産』の文庫本解説も黒沢さんが担当されています。それにしたって、だの、暗黒だの、この人たちはまったくもう……。

で、本題の『アジア裏世界遺産』は、『BUBKA』誌と『Men's Street』誌での連載を大幅に加筆修正し、情報センター出版局より2008年に書籍化された作品。なお、上掲の画像は2011年に幻冬舎からお目見えした文庫版の表紙です。

 

保護すべき価値はある?

B級スポット愛好家の間で人気の高いブッタパークラオス)から始まる本作。エピローグにはこんな説明書きがされています。

本書は世界遺産には登録されていないし、この先地球が滅びるまで登録されることはないであろうけど、私が勝手に〈人類が共有して保護すべき価値がある〉と判断した奇妙奇天烈な場所・モノ・そして人……を、「裏世界遺産」として強引に認定、紹介したものである。

〈人類が共有して保護すべき価値がある〉とは思わないものの(おそらくマミヤさんご本人も本気で保護すべき価値があるとは思っていないはず)、アジアの懐深さを窺い知るには十二分。

トラウマ級のマネキンが立ち並ぶインドの遊園地や、金持ちの道楽の極みとも言えるトルコのUFO博物館といった場所もさることながら、マミヤさんが体験されたアクティビティーが凄いの何のって。

例えばプノンペンではAK47榴弾、さらにはロケットランチャー(!)を試射。偽造IDや各種ドラッグの入手なんぞは朝メシ前、お金さえ払えば大抵の欲望を満たせてしまうカンボジアの実態に口あんぐりでした。何せ武器は軍から無断で拝借していますからね、国家としてのセキュリティーはどうなっているのやら……。

続いて、お隣タイの首都バンコクでは、カオサンで目にした〈日本人限定! ハリウッド映画の役者募集!!〉なる張り紙につられ、オーディションの日取りを即予約(マジで何してるんすか……)。

テキトーな面接に加え、スタッフに促されるまま〈空手黒帯、柔道師範、キックボクシングならびにマーシャルアーツ経験豊富なほか、日本刀、手裏剣、ヌンチャクは自由自在に操れます〉というめちゃくちゃハイスペックなエントリーシートを記入するも、その後、一切音沙汰はなかったそうです。

 

ありがとう、マミヤさん!

……といった貴重な体験を、アジア各地で重ねていくマミヤさん。良識ある日本人観光客ならまず踏み込まないであろう怪しい場所にも嬉々として乗り込み、その様子を読者に伝えてくれます。

こういう場面でホイホイついて行くとかなりの確率でトラブルになるのだが、トラブルネタが欲しかったのでホイホイついて行くことにした。

上記は、本番用の大人のオモチャ屋はそこらへんにあるのに、自慰行為用のグッズ販売はご法度らしい中国で、エロDVDのキャッチに遭った時の思い出話と共に添えられていた文章。

〈仕事とはいえけしからん〉と一応は建前的に書いておきつつ、本音を言うと〈チキンな私の代わりにいろいろな経験をしてくださってありがとうございます〉の気持ちでいっぱいです。

現役バリバリの旅系ライターさん/YouTuberさんたちもマミヤさんを見習って、える範囲内でたくさんやらかし、その一部始終をレポートしていただければと強く思っています(言わずもがな、笑える範囲内っていうのが超重要)。

 

コラムも必見!

そうそう、忘れていました。本書はコラムも充実。なかでも目を引いたのが、ダッカで発見したエロDVD専門の露店にて、店主から勧められた作品をレヴューしていくコーナーです。

バングラデシュ産を中心にインド産やパキスタン産も交え、ロリから熟女盗撮複数プレイなどなど、さまざまな読者のニーズを想定して満遍なくピックアップ。どこの国にも変態はいるんだな~と、よくわからない感想を抱いてしまいました。

また、アジア名物と言って差し支えないパチモン一覧のコラムも必見。adidasのパクりでadidos。これは旅先でよく目にします。adisonも、まあまあ、狙いは理解できます。ですが、didibaoって……。ディディバオ? もはやオリジナルからかけ離れすぎていて震えが止まりません。

あ~、笑った、笑った。笑い疲れたので、そろそろこのへんでお開きといたしましょう。いつもは可能な限りまとめっぽいことを書いているんですけどね。今回はあっさりおしまい。

『アジア裏世界遺産』は深く考察してどうこうって感じの本でもないし(もちろん良い意味です)、特にこれ以上は何も思い浮かびませんでした。ただただおもしろいの一言。以上です。雑な感想でごめんなさい。

※記事内の画像はフリー素材を使用しています。本著とは直接関係ありません。

www.gentosha.co.jp

 

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