FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

学生時代から夢見ていた「東南アジアで暮らすこと」を実行に移すべく、15年間続けた雑誌編集の仕事を捨てて現在はその準備中。インポートのビーチウェアなどをちょこちょこ売りながら、日本脱出の機会を窺っています。

目で見て感じたシハヌークビルの現状

2019年6月22日、ちょうどこのブログをアップしようかな~と思っていた矢先に、「シハヌークで建物が倒壊し、複数の死者が出ている」というニュースが舞い込んできました。まだまだ被害は拡大しそうな気配。事故現場は中国企業が所有する建設中のビルです。

先月シハヌークへ行き、想像以上に物凄い勢いでこの街が中国化している様子を目の当たりにしたばかりで、不謹慎な言い方かもしれませんが、「こういう事故がいつか起こるのではないか」と思ってました。

前回シハヌークを訪れたのは1年半前。その頃から大型カジノ&ホテルの建設ラッシュがかなり進行していたとはいえ、たった1年半の間に街はここまで様変わりするのか……と。昼夜問わずいたるところから工事の騒音が聞こえ、突貫で新しい街を作ろうとする姿は一言で言うと「異常」。

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現在シハヌークで起こっている中国マネーの流入には賛否両論ありつつ、ブログもひとつの立派なメディアと捉えていて(このブログのアクセス数はまだまだ少ないですけどね)、こういう場で薄い知識しかない私が政治的な意見を述べるのはどうかな~と思い、今回は自分の目で見て感じたことをなるべくフラットな気持ちで書いてみたいと思います。期せずして大惨事とタイミングが重なってしまい、とても複雑な気分なのですが、まずは亡くなった方のご冥福を祈ると共に、被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。

 

親中派なフン・セン首相

本題に入る前にちょっとだけ予備知識を。カンボジアの現首相フン・センさんはもともとポル・ポト派の人物。77年にポル・ポト派を離れて一時は亡命しているものの、出どころを考えたら彼が親中的な立場を取っているのも納得でしょうか。この人が中国からの支援を後ろ盾に抵抗政党をムリヤリ解散させるなど、なかなか強引な政治を進めているようです(それに対する反発デモをプノンペンで何度か目にしました)。

そんな背景もあって、フン・センさんは中国に頭が上がらない状態。中国本土で車の免許を持っていない人がカンボジアではすんなりレンタカーできたりして、中国人によるひき逃げ事故が多発している……という話をローカルの方から聞きましたし、麻薬の売買、不法滞在、偽装結構などなど、カンボジア国内における中国人犯罪も急増していると地元の警察当局が発表しているのですが、それでも首相は見て見ぬふりです。

 

大渋滞は工事のせい?

これを踏まえてシハヌークの話。「シハヌークビルを第二のマカオにしたい!」という中国側の要求に、政府は「どうぞどうぞ」と低姿勢で応えるしかないのでしょう(たぶん)。シハヌークに到着して最初に驚いたのが交通量の多さ。1年半前と比べたら中心地は3倍以上になった気が。

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その一番の原因は中国資本によるレジャー施設の工事だと思われます。「工事を始める前に周辺の道路を整備すればいいのに……」って感じなんですが、舗装されていないデコボコ道の脇にドーンっと巨大なカジノなんかを建てようとするもんだから、大型トラックが道路をふさぐこととなり、結果的に一般人は立ち往生。排気ガスの量も多く、バイクで走っていると息苦しくなるほどです。その排気ガスカンボジア特有の粒子の細かい赤土が合わさって、バッグや服はすぐドロドロに。白Tなんて着られたもんじゃありません。リゾート地なのにこのありさまですよ。東京よりも空気がまずいなんて、信じられます?

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また、街を歩けば中国語で書かれた看板だらけで、クメール語のほうが少ないくらい(大袈裟に話を盛っているわけじゃありません)。ぶっちゃけ自分がいまどこの国にいるのか一瞬わからなくなりました。

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こういう状況に嫌気が差してか、欧米からのツーリストは激減。さらに大量に訪れる中国人観光客のほとんどがホテルもレストランも同志の経営しているところを利用するので、非中国人系の人がやっているお店は経営難に陥っている模様でした。例えば「ヒッピー・ゾーン」として愛され、ヨーロッパ人オーナーの営むゲストハウスやレストランが数多く立ち並んでいたオートレス・ビーチ周辺では、かなりの数の物件が売り出し中。そこにシハヌークで事業を拡大しようとする中国商人が入り込み……という感じっぽいです。何せ内見している中国系の方々をたくさん目にしましたからね。シハヌークへ行ったことのある人なら、「街のド真ん中はともかくオートレス・ビーチにまで……」と少し複雑な気持ちになるかも。

 

今度はマンションの建設ラッシュ!?

2019年の現在は、数年前から進んでいたカジノ&ホテルの建設ラッシュと並行し、マンションの建設ブームが起こりつつあるシハヌーク。工事中のマンションに大型のツアー・バスが絶え間なく乗りつけていた様子を見ると、おそらく投資目的でここを買おうとしている人が多いのでしょうか。 

もちろん、経済的にこの街が豊かになることは決して悪いことじゃないと思います。ただ、心なしか地元の人に元気がなく、それまではそっけなかったのに私が日本人だとわかるとフレンドリーに接してくれたりして……どうもカンボジアの人々は中国系企業による急速な開発を快く思っていないような気がするのです。

余談ですが、5月末にシハヌークビル州はロンサレム島にある中国資本のホテル&カジノ「Jin Ding Hotel」が閉鎖されたみたいです。海への汚水垂れ流し騒音問題で何度も注意を受けていたにも関わらず、ホテルが無視し続けたために地方自治体がとうとう動いたんだとか。この一件や冒頭で触れたビル倒壊事故をきっかけに、シハヌークにおける中国の野放図な経済侵略に歯止めが掛かるかどうかはわかりませんが、いずれにせよ地元の人の幸せを奪うような土地開発はダメだよな~と感じた次第。あ、「フラットな気持ち」で書くはずだったのに、思いっきり寄ってますね(苦笑)。以上、今回は柄にもなく真面目なお話でした。

 

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