前回に引き続きバンコクのEcotopia(エコトピア)で目立っていたご当地エシカル・ファッション・ブランドを紹介していきます。お店のアクセス方法や概要はこちらのページにて。
Earthology Studio
「新しい素材で人と環境との調和を目指す」をコンセプトに掲げるEarthology Studio(アースオロジー・スタジオ)。ブランド名はEarth×Ecologyと思いきや、Earth×Technologyでした。
親会社は1987年に創業し、The North Face(ザ・ノース・フェイス)やAdidas(アディダス)、Eagle Creek(イーグル・クリーク)、Jansport(ジャンスポーツ)にもナイロン素材を提供してきたファブリック・メーカーです。

これまでに培った技術を活かし、r-PET(リサイクルポリエステル)と地元産の天然繊維をミックスしたスタイリッシュな商品の開発に尽力。
例えば写真左側に映る2500THBの特大トートバッグは、綿にr-PETを練り込むことで、一般的なコットンキャンバス地より軽くて丈夫な作りに。環境への配慮だけじゃなく、機能性の高さもしっかり備えています。
店頭にはパイナップルの葉を混ぜたバケットハット(1200THB)、ヘンプを混ぜたミニクラッチ(1200THB)やスリーブケース(2500THB)、あとはシャツやパンツをはじめとするウェア類がチラホラ。Ecotopiaとの限定コラボ・バッグもディスプレイされていました。
https://www.earthologystudio.com/
Knit Circle
続いてのKnit Circle(ニット・サークル)も、親会社はヨーロッパの有名ブランドと取引してきたというメーカー(※具体的なクライアント先は明かされておらず、HPには「high brands across Europe」と記載されていました)。
「試作品用に出していた毛糸を廃棄せず何かに活用できないか?」と考え2022年に自社ブランドをローンチしたらしいです。Knit Circleのアイテムはすべて地元の職人による手編み。1つ1つ微妙に風合いが異なります。

また、シグネチャー・モデルのLeafシリーズには、バナナの葉やパパイヤ、藍など、国内栽培された天然染料を使用。地域産業や雇用の活性化とファッションロス対策にまとめて立ち向かっているわけです。
メインの価格帯は半袖やノースリーヴのトップスが1200~2000THB前後、ワンピースが1500~3000THB、ボトムスが1500~1900THB。ざっとラベルを見た限り洗濯機OKなものも多かったです。
Doi Tung
お次はチェンライにある山から名前を取ったDoi Tung(ドゥイ・トゥン)。かつてこの地域はアヘンの栽培と密売が盛んだった、いわゆるゴールデン・トライアングルの一部です。
ここで暮らす人々が違法な商売に依存せず、真っ当な職業で生計を立てられるよう、そして焼畑で破壊された森林を本来の緑豊かな姿に戻さんと、1988年に王室後援のもと設立されました。

最初に行ったのはコーヒー農園やマカダミアナッツ農園への転作支援で、コーヒー分野に関してはキャメル珈琲もプロジェクトに参画。日本でもキャメル珈琲が運営するKALDIでDoi Tungマーク入りのコーヒー豆をゲットできます。
Ecotopiaで扱っているのは、Doi Tungのハンドクラフト事業の商品。山岳民族に伝わる縫製技術をイマっぽくアップデートしています。1000THB以下のスカーフやバッグもあって、お土産にもピッタリ。
Farmer Rangers
2017年創業のFarmer Rangers(ファーマー・レンジャーズ)は、製造過程で出る繊維くずや、大量生産によって捨てられた新品の衣類、さらに古着を回収し、アップサイクルしています。
Ecotopiaの売場では一点物の個性的なパッチワーク・デニムが目を引きました。なかにはPolo Ralph Laurenのヴィンテージ・ジャケットをリメイクしたブルゾンもあり、昨今の古着ブームも相俟って日本人ウケはかなり良さそう。

値段はメモし忘れました。ゴメンナサイ。HPもなく、公式SNSにリンクが貼られていたEtsyのサイトに飛んでみたら、日本円でなかなかのお値段。一点物だし、国際配送料も込みなので、そりゃ高くなりますよね。
Ecotopia以外だと、チェンマイのターペー通り沿いに建つForest And Friends(フォレスト・アンド・フレンズ)で取り扱っているみたいです。
https://www.facebook.com/farmerranger06/
まとめ

タイでも環境負荷のかかる大量生産型のビジネスモデルを前時代的と捉え、エシカル・ファッションを志向する新興ブランドが徐々に台頭しています。
Ecotopiaはそのショウケース的な役割も担うセレクト・ショップ。いろいろ考えさせられました。
私自身、いますぐ完全にファスト・ファッション断ちするのは難しいけれど、気に入ったアイテムをちょっとずつ採り入れて、高い志を持ったブランドに微力ながら貢献していきたいと思い、己の消費行動を見つめ直している最中です。
皆さんもバンコクへ行った際は、Ecotopiaでエシカルなショッピングを楽しんでみてはいかがでしょうか。ホント嬉しい驚きが盛りだくさんですよ。
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