FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

旅のこととか、旅に関する本のこととか。

FEEMUEを通じてクロントゥーイのスラム街で暮らす人々をファッショナブルに支援しよう

世界トップクラスの貿易量伸び率を誇るチャオプラヤー川の河川港、クロントゥーイ港(PAT)。その周辺にはタイ最大のスラム街が広がっています。

もともとは港湾作業に携わる出稼ぎ労働者のコミュニティーとして人口が増えはじめ、現在の住民数は推定10万人。不法移民も多く、正確な数字はタイ政府も把握できていません。

以前に比べてだいぶ治安は良くなったと言われているものの、例えば同地区ではいまも火事が多く、出火原因のほとんどが麻薬中毒者によるコカインヘロインのあぶりというから、まだまだ課題は山積。

相変わらず差別は根深く、スラム出身を理由に教育の機会職業の選択肢もかなり限定されてしまっているのが実状です。

今回は、そんなクロントゥーイの人々をサポートするライフスタイル・ブランド、FEEMUE(フィームー)を紹介します。

 

高いデザイン力

タイ語技術腕前を意味するFEEMUEは、スラムの女性たちが経済的に自立できるよう職業訓練の場を提供しているブランド。

現地のNGO団体、Sikkha Asia Foundation(シーカー・アジア財団)が運営し、売上は恵まれない子どもへの教育支援に充てられています。そうした意義的な部分もさることながら、何が素晴らしいって製品が可愛いんですよ。

「デザインの力でスラムのイメージを変える」をコンセプトに、FUJI TATE P(フジタテペ)を主宰する刺繍作家の藤田哲平さんが、実際にクロントゥーイで2か月間暮らしてデザインを考案。

自然派コスメ・ブランドのSHIROともコラボしていたりして、2017年にはグッド・デザイン賞も獲得済みです。審査員の評価コメントは以下の通り。

スラムから発信するという新しいかたちのデザイン。

1つ1つのプロダクトにストーリーがあって魅力的。

インクルーシヴ・デザインのお手本となるべきプロジェクトだ。

私がFEEMUEに興味を持ったきっかけもデザイン性の高さでした。ボランティア精神旺盛な意識高い系の人間とは程遠い私は、助け合いの必要性を感じつつも、どうしたって自分自身のメリットを真っ先に考えてしまいます。共感だけではなかなか購買アクションに移せません。

得意気に書く話ではないけど、一方的なGiveではなく、純粋に欲しいと思った商品を買い、その行動がスラム支援に繋がるみたいな、消費者側も作り手側も得した気分を得られる点に、健全なGive and Takeの関係を感じた次第です。

 

どんなアイテムを作っているの?

FEEMUEの看板商品は、キャンバス地の縁取りとブランド・ロゴが効いたクリアバッグ。クロントゥーイ地区のプレハブ小屋で雨よけ風よけに活用されているポリエチレン素材のタープシートを、まさしくデザインの力で刷新しています。

バケツ型のハンドバッグや楕円形のショルダーバッグ、大小さまざまなトートバッグにサコッシュ他、ヴァリエーションは豊富。そもそもブランドの知名度が上がったのも、このシリーズがトレンドに敏感な駐妻の目に留まったからなんですって。

私はLサイズ(タテ36cm×ヨコ35cm)のトートをゲットしました。軽いし、水を弾くし、強度も高いしで、使い勝手は良好です。サッカー観戦ビーチへ行く時にも重宝しそう。

クリアバッグ以外にも、モン族の伝統手芸品をベースにしたピアスやヘアゴム、ポーチをラインナップ。すべてクロントゥーイに住む女性たちがハンドメイドで作ったものです。

 

どこで買えるの?

私は財団の見学も兼ねてSikkha Asia Foundationで購入しています。先のトートバッグが650THB。後に定価690THBだと知りました。

マージンが発生しないぶん、デパートで買うよりは喜ばれるだろう」といった考えもうっすらあったのに、何だか申し訳ない気持ちでいっぱいです。

商品が置いてあるのは2階の事務所スペース。尾木ママこと尾木直樹さんの写真も飾られていました。1階の大部分は図書館になっていて、絵本に没頭するキッズの姿も確認できます。

行き方はタクシーだとBTSエカマイ駅プロンポン駅から乗車。たぶん10~15分程度の距離です。歩きの場合はMRTのクロントゥーイ駅から40分(3km少々)。

ただし、徒歩で行くのはあまりオススメしません。チャイルドケア施設などが並ぶ表通りに面していて、一見、昼間は平和な雰囲気ですが、シャブ中のおじさんと何度かすれ違いました。私もツレが一緒じゃなければタクシー利用したはず。

ちなみに、表通りを1本入ると、もうそこは住宅密集地。YouTuberが動画でよく上げているTheスラムな光景が広がっています。

よそ者が軽い気持ちで足を踏み入れていい場所じゃない(≒私が住民ならカメラ片手にズカズカ入ってきてほしくない)と判断し、この日はあえてスルーしました。

なお、FEEMUEではガイド付きのクロントゥーイ・ツアーを開催(※集合場所はプロンポン)。スラムの日常に興味のある方は、これに参加するのも手だと思います。

少し脱線しました。FEEMUEはSiam Discovery(サイアム・ディスカヴァリー)の3階や、Iconsiam(アイコンサイアム)の4階でも常設販売。どちらも観光ついでに立ち寄りやすいロケーションです。さらに、日本でも公式ECサイトクラフトエイドで入手可能。

己のオシャレ欲が満たせて、同時に社会貢献までできちゃうなんて、最高すぎると思いませんか? こういう支援だったら喜んでどんどんやっていきたいです。

lit.link

 

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