今月はサパンクワイ強化月間。グローバル化が進んでいるバンコクにおいて、いまなお昔懐かしい下町風情が色濃く残る同エリアの飲食店を取り上げていきます。
ちなみに、前回の記事ではツーリストにとってサパンクワイがいかに魅力的な街かというのを綴ってみました。お時間があれば併せてご覧いただけると嬉しいです。
庶民の胃袋を満たすローカル食堂
今回ご紹介するのは、Wat Pai Tan(パイタン寺)の参道沿いに店を構えるLap Suwan Shop(ラップ・スワン・ショップ/ร้านลาบสุวรรณ)。
店先でガイヤーンを焼いているイサーン料理の食堂で、大きな看板は出ていないものの、比較的わかりやすい場所に位置しています。
ついでに、Chatuchak Weekend Market(チャトゥチャック・ウィークエンドマーケット)からもすぐ。マーケットのSection3と4の間にある小さいゲートを出て、カンペーンペット通りを渡ったら、徒歩5分前後で辿り着けます。
『バンコクのサパンクワイってどんな街?』で書いている、下着姿の青年(たぶんヤク中)と警官の追いかけっこを目撃したのがまさにこのLap Suwan。
前回の『バンコクの宿泊拠点にサパンクワイをオススメする3つの理由』で触れた、地元の男衆がギャンブルに勤しむ謎の商店も目と鼻の先です。
店内の様子は下掲の画像の通り。お世辞にもキレイとは言えません。外国人観光客はいつ行っても私たち以外ゼロ。地元のマダムと女性従業員が雑談に興じていて、パッと見、ふらっと入るには少し敷居が高いです。
でも、席に座って注文しただけなのに「良いチョイスだ」と周りの酔っ払いが褒めてくれたり、食べている最中も近くのテーブルの人が「どうだ、美味いだろ?」と話しかけてくれたり、実際はとってもウェルカムなムード。
良い意味で飾り気がなく、懐深くて、下町情緒たっぷりなサパンクワイの魅力を、ストレートに体現しているのがLap Suwanかな~とも感じています。
こんなものを食べています
私とツレの定番オーダーがこちら。40THBのガイヤーンを2皿と、40THBのソムタムカーオポート(とうもろこしのソムタム)を1皿、10THBのカオニャオ(もち米)を2つで、合計140THB(約560円 ※1人280円)。
インフレなんてどこ吹く風。フードの値段は現在のバンコク(特にBTS沿線)の相場からすると、かなり安い気がします。
参考までに、カオニャオ2つをChangビール大瓶2本に置き換えたら合計280THB(約1120円 ※1人560円)。ビールはわりと一般的な価格です。
たまに写真上のチムチュムも頼みます。値段は120THB(約480円)。他所だと200~250THB(約800~1000円)は軽くするので、やっぱりこれも破格。
Lap Suwanのチムチュムは出汁の味付けが濃いうえに、肉にもしっかり下味がついていて、物凄くビールが進みます。
もう1つのお気に入りが、タムスア(40THB/約160円)の持ち帰り。ソムタムに米粉製の細い麺(=スア)をドッキングさせたタムスアは、私の好きなタイ料理Top5内に必ずランクインする一品です。
Lap Suwanのタムスアはパパイヤが豪快にカットされ、食べ応えが抜群。シャキシャキ食感がたまりません。バジルなど生野菜を大量におまけしてくれて、40THBでお腹いっぱいになれます。
忘れちゃいけないのはテイクアウトが断然良い点。これはLap Suwanに限った話ではなく、店で出されるタムスアはだいたい常温。冷蔵庫(または冷凍庫)でキンキンに冷やすと、美味しさが爆上がりします。
ご当地の冷たい麺料理がなぜかほとんど出回っていなタイ。常夏の国には冷製麺が合うと思うんですけどね。で、暑さにやられた時、私はタムスアを買って帰り、宿泊先の冷蔵庫で冷やしてするっと栄養補給しています。
外テーブルがオススメ
最後に座る席のポイントを。私たちは外テーブルでよく食べています。外テーブルにするメリットは、単純にオープンエアで気持ちが良いのに加え、ちょっとしたお楽しみもあるんです。
そのお楽しみとは、アイスクリームやフルーツ売りをはじめ、行商がちょくちょく真横を通ること。夕方以降には酒飲み相手にスルメ売りも出現します。
飲食店に他で買った食べ物を持ち込むのはマナー違反だろうと、最初のうちは指をくわえてただただ眺めていました。
ところが、従業員もお客さんも、普通に買って、普通に食べているじゃないですか。ならば、買う以外に選択肢はありません。てか、従業員も接客中に買い食いしているあたりが緩くて最高です。
Lap Suwanにはこれといった名物料理があるわけでもなく、ぶっちゃけ、ガイドブック常連系の人気店と比べてしまうと際立って美味しいわけでもありません。
ここの何が素晴らしいって、とにかく雰囲気。Chatuchak Weekend Marketから近いため、買い物帰りに足を運んでみてはいかがでしょうか。
地元の方々のリアルな営みに溶け込める経験って、観光地のレストランじゃなかなかできない貴重なもの。ぜひ皆さんにもこの空間を味わっていただきたいです。
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