パンガン島の大麻スポット巡り第2弾。第1弾のPhangan Cannabis Club(パンガン・カンナビス・クラブ)は、タイ保健省や地元のNGO団体が全面サポートしている第三セクター的な施設でしたが、今回のGanja Gardens(ガンジャ・ガーデンズ)は完全なる家族経営です。
Phangan Cannabis Clubよりも輪を掛けた緩さと自由さがあり、非喫煙者の私すら自然と笑みがこぼれてしまうGanja Gardens。冗談抜きで、子連れでも気軽に立ち寄れる稀有のディスペンサリー・ショップだと思います。
ここはいったい何だ?
場所はトンサラ港からハードリンへ向かう途中のバーンタイ地区。Wat Khao Thamへ続く道を入ってすぐにリーフ・マークの看板が出てきます。
なお、上掲のGoogleマップで設定しているSpider Mini Golfとは同じ施設。ついでに、AgodaやBooking.comではGanja Gardens Campingなる名前で宿泊施設として登録されていました。要するにGanja Gardensはフットゴルフ場であり、キャンプ場でもあります。
フットゴルフ場と言ってもキレイに芝が整備されている状態ではなく、ハンドメイド感満載のコースが雑然と並んでいる感じ(※下掲画像の左上と右上参照)。確かご丁寧にしっかり18ホールあった記憶が……。
キャンプ場も無造作にテントやロッジがポツポツ立っているのみ。その間にところどころ大麻が生えているカオスな環境です。
そのへんをブラブラしていたら、店主のパパさんが「日本人かい?」と話しかけてきました。「俺には日本人の友達がいて、そいつの勧めで少し前にサウナを設置したんだよ。あんまり利用者はいないけどな、ガハハハハ」とのこと。
そりゃ、日本は空前のサウナ・ブームですけども、年間通じて高温多湿なパンガン島でサウナに入りたいとはあまり思わないかも。サウナの横に作られた鳥居のオブジェ(※上掲画像の右下参照)も何だかチグハグでした。
店主はマジシャン
ちなみに、パパさん(※写真下)はGanja Gardensのオーナー兼マジシャン。こちらの反応と彼のコンディション次第では次々と手品が見られます。
ここは全身で驚きを表現し、最後までパパさんに付き合ってあげましょう。動画を撮るとさらにノリノリになり、「SNSに上げてくれよ」と難易度の高いトリックも披露してくれます。
敷地内には手品ショウのフライヤーがあちらこちらに。化粧がやたらと濃いうえに写真を加工しすぎていて、言われるまでフライヤーに映っている人と目の前にいるパパさんが同一人物であるとは気付きませんでした。
情報が渋滞してきたので一旦話をおさらい。家族経営のGanja Gardensはディスペンサリーとフットゴルフ場とキャンプ場とサウナと屋外バーを併設した複合娯楽施設で、店主は手品師です。ここまでは大丈夫でしょうか。
野性味溢れるアウトドア製法
いろいろなビジネスに手を出しつつも、フットゴルフ場やキャンプ場の客入りはイマイチ。この施設の稼ぎ頭は明らかに大麻事業です。
販売所では奥様とワンちゃんが接客。のっぺりしたタイのご当地演歌ポップがエンドレスで流れているのも、ローカル感たっぷりでたまりません。オブジェのセンス(※写真下)も独特。
他店では1グラム600~1000THB台前半で売られている外国品種(例えば○○Gelato系や○○Haze系や○○Cake系など)も、各種3グラム1000THBで店頭に並んでいます。しかも、1グラムずつ別々の3種を1000THBで購入することだって可能。
加えて、パパさんがご当地銘柄は6グラム500THB。観光プライスにしてはかなりリーズナブルです。
価格の安さには2つの理由があります。1つは扱っているほとんどが自分たち、もしくは親戚や友人が生産しているため。もう1つはアウトドアで育てているため。
インドアの水耕栽培は手間がかかり、高価なブツほど不自然なくらい表面にキラキラしたトライコームが付着。ハイになる成分が多い一方で、「品質を求めるあまりケミカル寄りになってはいないか?」みたいな論争も巻き起こっているとか。
その揺り戻しで、マリファナ本来のワイルドな味を楽しみたいと土から栽培されたものを選ぶ方が徐々に増えてきていると聞きました。
安かろう悪かろうではなく、インドア栽培かアウトドア栽培かは好みの問題。Ganja Gardensで扱う自然農法に近い育て方は、とりわけナチュラリストやヒッピーの皆さんに支持されそうな気がします。
好きを仕事にする幸せ
さて、これより先は余談。『コロナ不況もどこ吹く風? パンガン島の玄関口であるトンサラ地区はローカルで大賑わい!』と題した記事でご登場いただいている座禅のオーナーが、こんな話をしてくれました。
タイ政府がマリファナを合法化した2022年6月9日当日、早くも巷には開花寸前のすくすく伸びた大麻草や、すでに乾燥済みのバッズがズラリと並んだらしいです。
解禁の噂は事前に流れていたとはいえ、種から苗に育つまでに数週間、収穫から加工までは数か月かかるのに……。
つまり、政府の発表を待たずに人々は自己判断で勝手に解禁していたわけです。実際、それっぽい場所ではかねてより普通に売られ、田舎の民家や路地ではどこからともなくあの独特の香りが仄かに漂っていましたもんね。
……にしたって、2022年6月9日を境にそこら中の軒先やベランダで大麻草が一斉にお目見えした光景は、想像するだけでも異様。無茶苦茶ですって。
Ganja Gardensのパパさんも、この店に品物を卸している知り合いの農家さんたちも、昨日今日で手を出したのではなく、おそらく年季の入った愛煙家のはず。
私たちがGanja Gardensに訪れたのはマリファナ解禁から6か月に満たない頃でした。半年足らずの間に、この大麻ビジネスを、少なくとももともとの生業だったフットゴルフ場より収益の獲れる事業に発展させたなんて、凄いと思いませんか?
接客担当の奥さんも「これはうちの旦那が育てたのよ」とジョイントをサービスで振る舞ったり、頼んでもないのに種を見せてくれたり、幸せオーラ全開。
自分の好きなものが社会的にも法的にも認められ、それを商売としてきちんと成り立たせ、家族や友人と仲良くワイワイ暮らせていけているって素敵だな~と、Ganja Gardensのご夫婦を見ていて純粋に感じました。
そんなこんなで、非喫煙者であってもパンガン島へ行った暁にはぜひ立ち寄ってみてほしいGanja Gardens。行けば元気をもらえるナイスな空間です(※B級スポットとしてもオススメです)。
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