いよいよチェンマイともお別れの時が近付いてきました。最後の夜は2人揃って「Rasta Cafe(ラスタ・カフェ)」へ。
実はこのお店、前日の夜にツレが1人で来ていたんですって(私は疲れて宿で休んでいました)。レゲエ・ミュージックは私たちの数少ない共通の趣味。旅先でレゲエ・バーを見つけると、とりあえず寄るようにしています。
というか、レゲエ・バーの写真を撮るのが好きで、ブログでは書くタイミングを逃しているものの、先日のバンコクでもパンガンでも前を通りかかってはパチリ。いつか東南アジア各地のレゲエ・バーをまとめて紹介できたらいいな~なんて……。
で、チェンマイの話。「最終日だし、夜遊びしたい!」という気分になり、「だったらレゲエが聴ける酒場へ行こう!」みたいな流れで訪店することとなりました。
観光地のレゲエ・バーに物申す!
Rasta Cafeの場所は、ナイトバザールでお馴染みのチャンクラーン通りからHard Rock Cafeのあるロイクロ通りへ入ってしばらく直進、川沿いのチャロエン・プラセット通りに突き当たったところです。
せっかくなのでHard Rock Cafeから爆音で流れていた演奏もチラ聴きしてみました(写真を撮り損ねたため、お店の前にいたワンちゃんを下に載せておきます)。
私の勝手なイメージで恐縮ですが、Hard Rock Cafeってステッペンウルフ“Born To Be Wild”とかディープ・パープル“Smoke On The Water”とか、そういう超ド級のロックをカヴァーし、それに合わせてお客さんも大合唱する場所かと思っていたのです。
でも実際は全然違っていて、トゥールやらシャインダウンやらディスターブドやら……そのへんのアーティストの曲を演っているじゃないですか。
外から見るぶんにはお客さんもノリノリ。たまたまこの日だけ特別だったのか、チェンマイのHard Rock Cafeではオルタナ・メタル系の音がスタンダードなのか、他の店舗もこんなセレクトなのか。いずれにせよ「何か良いな~」と感じてしまったわけです。
というのも、東南アジアの、特に観光地にあるレゲエ・バーって9割はボブ・マーリーなんですよ。「ボブさえ流しておけばOKでしょ!?」的な。それがどうも納得いかなくて。「ほんの少しでいいからアップデートしようよ。お店の人も毎日ボブばかりで飽き飽きしないの?」と。
そんなモヤモヤ気分をうっかり思い出したまま、お目当てのRasta Cafeへ到着。お店の扉にはドーンッとボブちゃんの絵が描かれていました(上掲の写真参照)。
客の年齢層は高いけど、流れている音はイマドキ!?
しかしどうでしょう。バンドが演奏しているのは……ボブじゃない! しかもカヴァーですらない! ほとんどがオリジナルで勝負です(確か1曲だけメイタルズ“Monkey Man”を挿んでいたような……)。
おそらくゴリゴリにレゲエ好きなのはベースの人のみ。他のメンバーに関しては「本当はギター・ポップをやりたいのかな~」とか「この人はファンク畑の人かな~」とか、それぞれの音楽趣味が透けて見え、その寄せ集め感が新鮮です。
系統的にはフィッシュマンズ(ちょっと褒めすぎ?)。どこにも属さないようなレゲエを聴かせてくれました。
そういえば、タイの一部の若者の間では渋谷系が人気を集めているとか。この日観たバンドのサウンドは物凄く現行のタイ・レゲエっぽいのかもしれませんね。
……って偉そうにライヴレポ風の文章を書いてしまいました。お店について触れておくと、店内にはボブ・マーリーの絵の他に、マイケル・ジャクソンもジョン・レノンもエリック・クラプトンもジミ・ヘンドリックスもいてレジェンド大集合といった様相。One Loveと言えば聞こえが良いですが、節操ないです。
その節操のなさの極みは、お店のモニターに韓流の大河ドラマが流れていたこと。もうめちゃくちゃです。思わず笑ってしまいました。
ビールは90THB(約325円)で、各種カクテルもあり。私たちが行った日はお客さんが少なく、娼婦と冴えないオジサンのペア、ベロベロに酔っぱらった白人のオバサン・グループ、年期の入ったドレッドが印象的な地元のオジサンと白人のオジサン2人組、そして私たち(日本人の中年カップル)のみ。
とかく年齢層が高い!! そして場末感がハンパない!!
ハコバンとして毎日同じ人たちがライヴしているかは不明ながら、この日観たバンドが作ろうとしているのは「レゲエ成分多めのSuchmosやKing Gnu」みたいな音。つまり若者にこそ聴いてほしい演奏でした。
なので、もしもこのブログを読んでいる方の中にチェンマイ旅行を控えているヤングがいたら、サクッと寄ってみてほしいです。もちろんレゲエ愛好家や渋谷系世代、ただ単に酒が大好きっていう方々もぜひ。
なお、Rasta Cafeは2019年にオープンから20周年を迎えたそうです。こういうお店には10年、20年後もしっかり残っていてほしいな。
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