FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

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タイ産の天然ゴムに新たな価値をプラスするRuber Idea

バンコクで買ったラバー・バッグが自分的に大当たり。かなり重宝しています。そこで今回は同バッグを作っているRubber Idea(ラバー・アイディア)について。

調べてみると素晴らしいヴィジョンを掲げているブランドだったので、備忘録がてらブログに書き残しておくことにしました。

 

Rubber Ideaのめざす未来

名前の通りRubber Ideaはラバー素材に特化した新興ブランド。タイは1980年代後半より政府主導で天然ゴムの生産に力を入れはじめ、いまや生産量/輸出量共に世界第1位を誇るゴム大国です。

一方、輝かしい成果の裏で農地拡大を目的とした森林伐採不当取引人権侵害※生産者の多くは小規模農家)など、さまざまな問題を抱えているのもまた事実。

そうした社会課題を解決すべく立ち上がったのがRubber Ideaです。「タイの天然ゴムに付加価値を与え、その良さを見直してもらおう」と、デザイン性機能性に優れた商品の開発に着手。

使用するのは医療用のゴム手袋を作る過程で廃棄されていた余剰材料です。医療用だけあってクォリティーは最高クラス。

産業廃棄物を回収→再利用して森林伐採を食い止めたいとの考えはもちろん、事業の出発点にタイの天然ゴムを見直してもらう狙いがあったため、品質には特にこだわっているとか。

タイ産ゴムの価値をもっと世界に広められたら、間違いなく農家の方はいままでより少ない生産量でも適切な収入が得られるようになる――共同創業者のAphithat TechaplalertさんやSathienpong Thamsornさんはそこまで見据えているとコメントしています。

つまり彼らがめざすのは、農家の皆さんが無理なく持続可能な生活を送れて、同時にそれが地球環境にとっても持続可能になる未来。

めちゃくちゃSDGs時代にフィットしているじゃないですか。昨年11月にバンコクで開催されたAPECの記念品の1つに、タイ政府がRubber Ideaのバッグを選んだのも納得です(※岸田総理にも贈られているはず)。

 

売れ筋はワンショルダー・バッグ

Rubber Ideaの看板商品は、タイの伝統的な頭陀袋(ถุงย่าม)に着想を得た写真下のワンショルダー・バッグ(545THB/約2180円)。2020年には日本のグッドデザイン賞も獲得しています。

水洗いできてお手入れが楽チン、なおかつ、弾力性耐久性に優れたラバー素材の特性に加え、開口部が広く取られた形状も使い勝手良好。ついでに、最後にはちゃんと土に還ります(※天然ゴムは生分解します)。

現在、急速に脱プラスチック化が進んでいるタイ。このバッグもエコバッグとして使う人が多く、ブランド側の想いがしっかりエンドユーザーにまで届いている印象を受けました。

もっとも、私はコンセプト云々よりデザイン先行で買ったタイプの人間。折しもタイではレトロ・ブームが起きていて、タイ文字Tシャツ着た人たちをチラホラ見かけます(※このあたりの話題は次回)。

私と似た感じの流れでRubber Ideaのワンショルダー・バッグを買った人だって少なくないでしょう。でも、結果的に社会の役に立っているならそれでOK(だと自分に言い聞かせています)。

限定カラーもたまに登場しますが、基本は全6色※上掲の写真の他にライムグリーンとオレンジがあります)。どれも明るい色ばかりです。ちなみに、私はイエローをゲットしました。

なぜベーシックなブラックやネイビーはないのか。天然ゴムは使っているうちに白く粉吹きします。市販の靴クリーナーで簡単に除去できるとはいえ、やっぱりこの作業はちょっと面倒臭い。

現時点でRubber Ideaが濃い色の製品を出していないのは、おそらくお客さんにクリーニングの手間をかけさせない配慮? できる限り長く使ってもらうべく、こういうカラバリになったのだろうと勝手に想像しています(※モノを長く大切に使うのも1つのエコ活動ですもんね)。

 

その他の製品は?

ワンショルダー・バッグ以外のアイテムもサクッと紹介しておくと、カバン部門では写真上のサコッシュ(1200THB/約4800円)とビジネス・バッグ(2200THB/約1万2000円)を展開。

後者は17インチのラップトップやA3書類が収納できる大振りサイズで、耐荷重は10kg。スコールの多いタイではとりわけ活躍してくれそうです。

放熱機能を備えたラップトップ用マットも気になりました。公式Facebookではブツブツのところにペンを指したり、足を乗せて青竹踏み的に使ったりと、本来の目的とは違った用途も紹介されています。

ペン立てに代用するのはまだしも、メーカーみずからPCマットでの足裏マッサージを推奨しているって……。思わず笑ってしまいました。

愛犬家には上掲のオモチャがオススメ(400THB/約1200円)。化学物質は含まれておらず、安心してワンちゃんと引っ張りっこを楽しめるのではないでしょうか。

 

どこで買えるの?

Rubber Idea製品のもっとも手軽な購入方法は、ShoppeeをはじめとするECサイトの利用です。メリットは欠品が少ない点と、定期的にディスカウントのキャンペーンを打っている点(※海外発送については要確認)。

ただ、「現物が見られないのは……」とか、「ホテルやゲストハウスでも確実に受け取れるの?」とか、そうは言ってもいろいろ不安はありますよね。

Rubber Ideaは単独のリアル店舗がなく、実物を確認するにはセレクト・ショップへ行かなければいけません。しかし、常時取り扱っている店が少なくて……。

その限られた常設店のなかでも観光客がもっとも行きやすいかなと思うのは、上に地図を貼ったBTSサイアム駅すぐのSiam Discovery(サイアム・ディスカバリー)3階にあるEcotopia(エコトピア)。不運にも直近で私がバンコクを訪れた際は全面改装中でした。

まさかの事態に肩を落としつつ、SNSで調べてCentral World(セントラル・ワールド)5階のStudio360(スタジオ360)にスカイウォーク伝いで移動。

Studio360はオリジナルの万年筆をセミオーダーで作れたり、世界各国の可愛いステーショナリーをチェックできたり、文具好きにはたまらないショップです。

ここの一番奥にRubber Ideaのワンショルダー・バッグを発見。けれども、ディスプレイされていたのはパープルグリーンの2色のみでした。

はじめからイエロー狙いだった私は、もう1軒別の店で探してみるも、ふたたびStudio360へ出直し、店員さんに「他の色はある?」と訊いて在庫を引っ張り出してもらった次第です。

そのもう1軒別の店というのがSamyan Mitrtown(サムヤーン・ミッドタウン)内にある本屋、Mind Space(マインド・スペース)です。

最寄りはMRTサムヤーン駅で、サイアムからも徒歩20分くらい。往路はMBKチュラロンコン大学を横目に散歩がてら歩き、復路は疲れてCentral Worldまでバスで引き返しました。

オチを言うとMind Spaceではもう取り扱っていません。あえて触れたのは、シーティング・スペースをたっぷり確保しているこの本屋がとても素敵だったから。

機会があれば、ぜひ寄ってみてください。絵本ビジネス書レシピ本タイ語に翻訳された日本の漫画をはじめ、なかなかの品揃えです。

Rubber Ideaに話を戻すと、イレギュラーなポップアップ情報は公式SNSに随時アップ。海外のエキシビションにも積極的に参加し、先月はシドニーのNaturally Good Expoに招かれていました。

そんなこんなで、デザイン性機能性が高く、コンセプトヴィジョンにも共感できて、製造工程だって申し分なしのRubber Idea。そりゃ、流行るわけですよ。

 

※当ページで使用している商品画像の一部は、Rubber IdeaのオフィシャルHPより拝借しました。

 

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