FAR-OUT ~もっとタイ、もっと旅~

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バンコクのヤワラー地区で人喰いワニの子孫を飼育している寺があるって本当?

今回は、繁華街の一角でワニを飼育している一風変わった寺院、Wat Chakkrawat(ワット・チャクラワット/วัดจักรวรรดิร)を取り上げます。

 

立地と歴史

The Crocodile Templeの異名を取るWat Chakkrawatがあるのは、バンコクの人気観光名所、サンペンレーンのすぐ裏手。

サンペンレーンには行っても、ここはスルーしている人がほとんどじゃないでしょうか。実際、外国人ツーリストはあまりいません。

このへん一帯は、ヤワラー通りを中心としたタイ最大のチャイナタウン。前々回に紹介したSan Chao Lao Pun Tao Kong(ラオプンタオゴン神社/ศาลเจ้าเล่าปูนเถ้ากง)然り、前回のLee Ti Miew Shrine(呂帝廟/ศาลเจ้าหลีตีเมี้ยว)然り、周りには中華系の寺院や祠がたくさん建っているのですが、Wat Chakkrawat自体はタイ仏教の寺院です。

正確な建立時期はわかっていません。ただ、現チャクリー王朝黎明期には母体となるお寺がすでに存在していたとされ、1825年にラーマ3世が王室寺院へ格上げ。

トンブリー王朝時代にシャム軍がビエンチャンより強奪したパバーン仏像も、一時期は王の指示によりWat Chakkrawatで保管していたらしいです(※パバーン仏像はラーマ4世治世下の1866年にラオスへ返還され、いまはルアンパバーンに祀られています)。

つまり、ラーマ5世時代に出来たヤワラー通りやWat Mangkon Kamalawat(ワット・マンコン・カマラワート/วัดมังกรกมลาวาส)よりも、Wat Chakkrawatはだいぶ先輩にあたります。

 

なぜにワニ?

そんな歴史あるWat Chakkrawatとワニの関係がスタートしたのは20世紀前半。当時、チャオプラヤー川にワニが生息していたことは、ちゃんと記録に残っています。そのなかにひときわ巨大で狂暴な人喰いワニがいたとか。

で、住民たちが捕獲しようと血眼で探し回るも、一向に見つけられなかった問題のワニを、住職が見事にキャッチ。仏教の不殺生戒に則って、住職がお寺で面倒を見たというのが、Wat Chakkrawatとワニにまつわる1つ目の説です。

2つ目は、怒り狂った住民たちに追われた人喰いワニが、寺院内に逃げ込み、それを住職が保護した説。

さらに、3つ目として、怒り狂った住民たちが人喰いワニを捕獲。そのワニを哀れんだ住職が、お寺で引き取った説もあります。

英語版Wikipediaが1つ目の説を採用しているせいか、パッと見た限り、ネット上には住職キャッチ説を載せているサイトが多いものの、真相は不明。

いずれにせよ、お寺に保護された人喰いワニは、ここで人生ならぬワニ生を全う。いまも境内の池の奥に、その剥製が置かれています。

現在、その池で飼育されている数匹は、人喰いワニの子孫とも言われています(※諸説あり)。子孫となると、人喰いワニにはパートナーがいたのでしょうか。こうした謎が多い点も、Wat Chakkrawatの魅力だったりします。

 

ワニ以外の観どころ

ワニの池がWat Chakkrawat最大のポイントではありながら、ほかにも見どころがチラホラ。とりわけローカルに人気なのが、コンクリートで造られた人工洞窟にある仏像の影※写真上)で、ここに金箔を貼って祈りを捧げます。

なお、コンクリ洞窟には、丸々と太ったフォルムが愛らしいプラ・サンカッチャーイ(迦旃延)もいらっしゃいました。プラ・サンカッチャーイ好きの方は、ぜひ愛でてください。

肝心の本堂もかなり立派。豪華な壁画とシャンデリアが、黄金に輝く仏像の美しさをより引き立てています。

ちなみに、タイでは多くのお寺の本堂が東を向いているのに対し(※仏教では東が悟りを開く方角と見なされているため)、Wat Chakkrawatは西向き

Wat Chakkrawatの西側にあるのは、王室の守護寺院であるエメラルド寺院ことWat Phra Kaew(ワット・プラケオ/วัดพระแก้ว)です。こうした点からも、王室とWat Chakkrawat深いの繋がりが垣間見えました。

 

アクセス方法や参拝時間

MRTでアクセスする場合は、ワットマンコン駅の3番出口から大通りを渡ってプラエンナム通りを100mくらい歩き、ヤワラー通りを右折。

そのままヤワラー通りを約400m進んでマハチャック通りを左折し、サンペンレーンを越えたら写真下の裏門が見えてきます(※寺に続く路地は狭いですが、ご心配なく)。

チャオプラヤーエクスプレス・ボートを利用する場合やソンワット通りから向かう場合は、N5のラーチャウォンで下船し、ラーチャウォン通りからアヌウォン通りに出るのがオススメ。こちらが駐車場のある写真下の正面玄関になります。

Googleマップには24時間オープンと書かれつつも、たぶん開門時間は7~8時/閉門時間は17時。流石に夜は閉まっているっぽいです。

都会の真ん中でショッピングの合間にワニを見られるスポットなんてなかなかレア。しかも、拝観無料ですし(※無理のない範囲での心づけを!)、サンペンレーンの賑わいに疲れた時の束の間の避難場所としてめちゃくちゃ良いですよ。

 

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