FAR-OUT ~もっとタイ、もっと旅~

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処刑場があったWat Pathum Khongkhaでバンコクのちょっと怖い歴史を覗いてみよう

タラートノイからソンワットに向かって少し歩いたところに佇む2級王宮寺院、Wat Pathum Khongkha(ワット・パトゥムコンカー/วัดปทุมคงคาราชวรวิหาร)を参拝してきました。

ここは、かつて王族や高官の処刑が行われていたお寺で、かつ、地獄壁画も現存する(であろう)スポット。怖いもの見たさに抗えず、門を潜った次第です。

 

プロローグ

Wat Pathum Khongkhaの歴史は古く、アユタヤ王朝の時代まで遡ります。とはいえ、バンコク遷都前の記録は乏しく、もともとの名称であったWat Sampheng(ワット・サンペーン)から名義変えしたのも現チャクリー王朝の初期。

廃寺同然だった同寺院をラーマ1世の弟が改修し、王様が直々にWat Pathum Khongkhaなる新たな名前を授けています。

ちなみに、わずか2代後のラーマ3世治世下にもふたたび廃寺と化し、ラーマ4世時代になってようやく2度目の大改修が完了。

普通に考えたら、現王朝の開祖と直接的なつながりがあり、王室認定を受けているタイの仏教寺院が50年かそこらのスパンで荒廃するって、けっこうレアなのではないでしょうか。

それもこれも、処刑場だったという暗い過去が尾を引いているのかしら……などと勘繰りたくなります。

何でも、本当はラーマ3世時代にもっと早くテコ入れする予定だったとか。しかし、修復プロジェクトの責任者が工事の途中で逝去して以降、跡を継ぎたがる人が現れなかったんですって。

 

お目当て①処刑場の形跡

現在のWat Pathum Khongkhaは、わりとどこにでもあるオーソドックスなチャクリー様式の寺院。なかなかの好立地なのに外国人ツーリストはほとんど訪れず、穏やかな空気が流れています。

そんななか、駐車場の隅っこに処刑で使われていた石がひっそりと置かれていました。この石の上に頭を乗せ、白檀製のこん棒で首の後ろを叩いたそう。

ずいぶんとエグいやり方だな~と思いきや、「王族の処刑に血を流してはいけない」との配慮から生まれたしきたりに則り、位の高い人にのみ執行されていた方法みたいです。

なお、同手法で処刑された王族は、ラーマ1世の息子であるマム・クライソーン氏が最後。それ以降、しばらくの間は身分に関わらず絞首刑が採用され、銃殺刑を経て、2003年からは薬殺刑になっています。

 

マム・クライソーン氏は何の罪を犯したの?

マム・クライソーン氏はなぜ死罪になったのか、気になって調べてみました。頭脳明晰で信仰心も厚かった彼は、行政や司法の分野で重要な役職をいくつも兼任。ラーマ3世が若い頃には、一緒に宮仕えもしていたようです。

転機が訪れたのは、そのラーマ3世が在位した時代。ロイクラトン祭りで支持者を集め、謀反を企てた罪に問われます。当人はこれを完全否定

それもそのはず、「謀反を企てた罪」は表向きの理由です。真の理由はマム・クライソーン氏が男色家だったから。

多くの男娼を囲い、一族の名を汚したとのお咎めを受け、王位を剥奪された挙句に死刑を言い渡されてしまいました。

LGBTQ+先進国である現在のタイからは想像できませんし、王族の歴史を見ても同性愛者だったラーマ6世※公表はしていません)は病死するまで王としての職務を全うされましたし、世が世なら、こういう悲しい結末にはならなかったのでは?

 

お目当て②地獄の壁画

日本にもマニアの多い地獄寺が造られる以前は、壁画の一部に地獄模様を描き、人々に戒律遵守の大切さを説いていました。

ただ、お寺が老朽化した際、元通りに修復するのではなく、大胆にリノベーションすることが多いタイでは、古い地獄壁画があまり残っていません。

Wat Pathum Khongkhaも去年から今年にかけて何度目かの大幅な改修工事を行っており、地獄壁画が描かれた礼拝堂も、ついでに、その隣の本堂も、まだしばらくは閉鎖される模様(※2026年上旬時点)。

このたびの改修工事でWat Pathum Khongkhaからも地獄絵がなくなってしまうのではないかと、非常に心配しています。

 

アクセス方法と参拝時間

最寄りのMRTフアランポーン駅1番出口からは徒歩10分。チャイプラヤーエクスプレスボートを利用する場合は、N4のマリンデパートメントで下船し、同じく徒歩10分です。

参拝時間は朝5時から夜21時と書いてありました。まあ、21時まで開いていても、日没後に訪れるのは少々気味が悪いかもしれません(※門のあたりに幽霊が出る噂もあり。詳細がわからなかったので、この件は追ってリサーチします)。

 

最後に

残念ながら、今回の訪問は立入禁止箇所が多く、見学できるポイントが限られていましたが、お堂の窓や扉の枠の装飾がピンクで可愛かったり、立派な仏足石があったり、アユタヤ様式の仏像が拝めたり、本来はもっと見どころの多いお寺です。

Wat Pathum Khongkhaはタラートノイとソンワット通りの間にある好ロケーションで、写真上のウォールアートのすぐ目の前。

皆さんも旧市街のお洒落スポットを巡るついでに、ちょっぴり珍しい歴史を歩んできたこのお寺へ、ふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

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