前回ご紹介したタイ最大のナーガ像を拝めるWat Tham Chaeng(ワット・タムジェーン/วัดถ้ำแจง)に続き、舞台はペッチャブリー県のチャアム地区。
今回は緑豊かなカオナーン・パントゥラット森林公園(Khao Nang Phanthurat Forest Park/วนอุทยานเขานางพันธุรัต)へとご案内します。
ロケーション
カオナーン・パントゥラット森林公園があるのはWat Tham Chaengのすぐ裏手。私とツレもこの2つの観光スポットをセットで巡りました。
ペッチャブリー中心部やホアヒン中心部からは約30kmと比較的近く、バンコクからも約150kmと日帰り旅行に程良い距離感。
若干わかりづらい公園のゲートに繋がる小道は、コークセーティー遺跡(Khok Setthi Historical Site/โบราณสถานทวารวดีโคกเศรษฐี)の脇から入れます。
【寄り道】コークセーティー遺跡とは?

ちょっと寄り道。せっかくなので、モン族が築いたドヴァーラヴァティー王国の仏塔遺跡もチェックしておきました。
後のアンコール美術にも多大な影響を与えたと言われるドヴァーラヴァティー関連遺跡は、首都を置いていたナコーンパトムやアユタヤに多く、コークセーティーは現存するなかでかなり南に位置します。
※サイトによっては「コークセーティーがドヴァーラヴァティー遺跡の最南端」と書かれているものの、タイランド湾を挟んで向こう側のチャンタブリー県にも同時代の遺跡が見つかっていて、どっちが最南端かは微妙?

なお、コークセーティー遺跡周辺ではインドのグプタ様式と似た特徴を持つレリーフが大量に出土されているらしいのですが、この場所に置かれているのはレンガ造りの土台のみ。地味と言えば地味です。
とはいえ、手先の器用なモン族のルーツをちょっぴり学べた気がして、私的には非常に有意義な時間を過ごせました。
手軽さが魅力の森林公園

ここからが本題です。敷地面積約2.5㎢のカオナーン・パントゥラット森林公園は、適度に小ぶりなのが魅力。石灰岩の山の周りに道路が敷かれ、バイクや自転車で楽々走れます。また、その山を登るトレッキング・コースも初心者向け。
それこそホアヒン郊外のカオ・サムローイ・ヨート国立公園とは違い、軽装備でOKだし、タイ国民/外国人旅行者問わず無料で入園できます。
公園での過ごし方
➀軽くトレッキングする

先述した通り、カオナーン・パントゥラット森林公園のトレッキング・コースは初心者向け。頂上の展望台まで75m、もっとも近いヴューポイントまで35m弱で、未就学児でも簡単に登れるんですって(※Googleのクチコミ参照)。
ちなみに、私たちは展望台を目指さず、山道の雰囲気を何となく味わって即引き返しました。すべて登らなくても十分に自然を満喫できます。
②動物観察する
2020年にカオナーン・パントゥラット森林公園で新種のヤモリが発見されました。Dixonius Pawangkhanantiなる学名が付けられたそのヤモリは、同森林公園でしか見られないとか。
さらに、インドシナカモシカやコウモリの希少種(※園内の洞窟には少なくとも5種類のコウモリが確認済み)も生息しています。もっとも、これらに遭遇できる確率は低め。

代わりと言ってはなんですけど、サルは普通にめちゃくちゃいます。観光地といえども人慣れしている様子はなく、こちらが手を出さない限り攻撃してきません。
一応、食べ物や飲み物を扱う商店にはパチンコを持ったサル対策人員がいました。ただし、実際にサルを狙うわけじゃなく、あくまでも威嚇用。いたって平和です。
③古い民話に思いを馳せる
カオナーン・パントゥラット森林公園は、日本でもかつて柳田國男が『ほら貝王子物語』のタイトルで編著したタイの民話『Sang Thong』とゆかりの深い場所。
あらすじは、王様と第1王妃の間に子どもができず、祈願した結果、第1王妃がほら貝を産み、それに対して王様が激怒。第1王妃とほら貝を追放して……といった具合です。
で、ほら貝から産まれた王子が追放された先で巨人(女夜叉)に出会い、巨人はいろいろあった末、悲しみに暮れながら爆発。王子は火葬を手配し、その巨人の遺体が山になったそうです。

端折りすぎて内容がチンプンカンプンですよね。ざっと絵本を流し読みした私も、実のところチンプンカンプンのままこれを書いています。そもそも王女がほら貝を産んだ時点で話についていけなくなりました。
とにもかくにも、石灰岩の山が巨人の遺体、現在は駐車場になっているスペースが火葬場で、カオナーン・パントゥラット森林公園のパントゥラット(งพันธุรัต)とは巨人の名前。
他にも、王子の沐浴場があったり、パントゥラットの鏡と呼ばれる景勝地があったり、園内はどこもかしこも『Sang Thong』にちなんだスポットだらけです。

『Sang Thong』は繰り返し映画化やドラマ化されてきた物語。単なる子ども向けの昔話ではなく、第1王妃と第2王妃のドロドロした関係も描かれていて、幅広い層に愛されています。
こういうミニ知識を頭に入れておくと、よりカオナーン・パントゥラット森林公園を楽しめるのではないでしょうか。
④ぼーっとする

……と書いておきつつ、別にネチネチ下調べなんかせず、行き当たりばったりでお茶休憩しに行く感じも全然あり。
サル対策人員を配備する商店では、タイティー(ホットが30THB/アイスが45THB)の他、カフェラテ・カフェモカ・カプチーノ・グリーンティー(各45THB)をベンチに座っていただけます。
如何せん景色が素晴らしいため、洒落たカフェに行く以上の贅沢な気分を味わえること必至。チャアムというタイ有数のリゾート地にいるのですから、心ゆくまでのんびりしましょう。
⑤宿泊する

園内にホテルやロッジはありません。でも、テントを持ち込んでの宿泊が可能。予約は不要です。
私とツレが行った時も、インターナショナル・スクールの学生さんがテントを張って林間学校的な校外学習をしていました。詳しくは公園入口の管理事務所にて。
最後に

以上、カオナーン・パントゥラット森林公園のレポートでした。チャアムやホアヒンでの海遊びに飽きたら、気分を変えてふらっと森林浴に出かける……みたいな活用方法がオススメ。特にお子様連れにはもってこいだと思います。
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