ひと昔前はバンコク・プラティナーム地区の男根神社について取り上げているブログ記事をよく見かけましたが、最近ではめっきり目にしません。
大小さまざまな木製の珍棒オブジェを奉り、文字通り珍スポット好きが殺到していたあの神社はいまどうなっているのか、ふと疑問に思った私はさっそく足を運んでみました。
歴史的背景
件の男根神社の正式名称はChao Mae Tuputim(チャオ・メー・トゥプティム/ศาลเจ้าแม่ทับทิ)。Googleマップではヒットしません。
男根神社があるのはMövenpick BDMS Wellness Resort Bangkok(モーベンピックBDMSウェルネス・リゾート・バンコク)の敷地内。

クリニックを併設した5つ星ホテルで、スイスに本社を置くMövenpickが買収する前はSwissotel Nai Lert Park Bangkok(スイスホテル・ナイラートパーク・バンコク/โรงแรมสวิสโซเทล นายเลิศ ปาร์ค)、さらにその前は現・上皇上皇后両陛下もご宿泊されたHilton International Bangkok(ヒルトン・インターナショナル・バンコク)が建っていた場所です。
Chao Mae Tuputimの起源は地元実業家のナイラートさんがセーンセープ運河で精霊の棲家を発見し、岸辺にある自分のお屋敷まで移したことに始まるとか。
それから約100年。めまぐるしく変化する大都会のなかで、人手に渡ってもずっと富裕層向けに格調を保ち続けてきたこの土地のパワーを感じずにはいられません。
アクセス方法
最寄りはBTSのプルンチット駅。5番出口を降り、角にPark Hyatt Bangkok(パーク・ハイアット・バンコク)がそびえ立つウィッタユ通りを右折。そのまま300~400m直進したあたりがMövenpick BDMS Wellness Resortの入口です。
案の定、エントランスでガードマンに止められました。男根神社への参拝目的で訪れた旨を伝えても「ここはホテルと病院だよ」と、そもそも神社の存在すら知らない様子です。
そのガードマンが無線で誰かと連絡を取った後、しばらくしてゴルフカートに乗ったホテル・スタッフ(※サンフレッチェ広島の佐々木翔選手似)が登場。神社まで案内してくれました。
言わずもがな、VIP待遇を受けたわけではなく、高級リゾート内に部外者がうろつくのを懸念しての措置です。私のせいで余計な仕事が増えてしまって申し訳ない。
珍棒の行方は?

写真上が現在のChao Mae Tuputimの姿。ごく普通の神社へ様変わりしていました。大量の供養物は祠の修繕タイミングにお炊き上げしたのかもしれません。
英語版Wikipediaにかつての写真が載っていたので、こちらにリンクを貼っておきますね。ちなみに、全盛期の珍棒オブジェの数はこんなもんじゃないです。

庭師でしょうか。木陰で男性が5~6人くらい昼寝をしていました。その光景を「あくまでもご神木を撮影したいだけですよ」のテイで隠し撮りしてみると……。
おっと! ご神木の根っこに立派なアレがしっかり絡まっているじゃないですか!! うっかり見落とすところでした。
男根神社はいまも健在

改めて祠の内部を凝視してみたら、ありました、ありました。なお、画像の左上に見切れているのは本物のバナナです。念のため。
日本と同様にタイでも生殖器崇拝の風習が残っています。男根は幸運や多産のシンボル。姿形は変われど、Chao Mae Tuputimはいまも信仰の対象として愛されていました。

もし妊娠を望む場合、祠にジャスミンの花と蓮のつぼみ、そしてロウソクと線香を手向け、その後に自分の名前・生年月日・お願い事を伝えるのがマナーみたいです(※敷地内にお供え物は売っていません。参拝前にご準備を)。
また、ここに祀られているのは女神様。妬みを買わないよう、女性は露出の少ない服装でお参りするのもポイントです(※男性は言葉遣いや態度に気をつけてください)。
こぼれ話

見学を済ませて来た道を戻ろうとすると、神社からは見えない少し離れた木陰でホテルマンが待っていてくれました。
「お参りできましたか?」と尋ねられ、とっさにスマホの翻訳機能を使って「実は友達が出産を控えていて、どうしてもChao Mae Tuputimで安産祈願をしたかったんです。本当にありがとうございました」と答えてしまった私。よくもまあ……。
しかし、わざわざ時間を割いてくれたスタッフさんに「珍棒がいまどうなっているか見に来ました~。ブログのネタにします!」とは口が裂けても言えませんでした。
嘘は良くないけど、こういう種類の嘘なら天国のナイラートさんも笑って許してくれるだろうと都合よく解釈しています。素敵なひと時をありがとうございました。
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