FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

旅のこととか、旅に関する本のこととか。

初めてのバンコク旅でも安心して行ける、観どころたっぷりのWat Suthat

2025年初の投稿です。本年もよろしくお願いいたします。新年1発目はWat Suthat Thepwararam(ワット・スタット・テープワラーラーム/วัดสุทัศนเทพวราราม ※略称のワット・スタットで通じます)について。

 

Wat Suthatをオススメする理由

タイ全土には3万を超える仏教寺院があり、そのうちの281施設が王室寺院に認定。さらに、そのなかの23施設が第一級王室寺院に格付けされています(バンコク都内は10か所)。

1807年に着工したWat Suthatも最高ランクの第一級王室寺院。けれども、第一級に相応しい豪華さを湛えていながら、外国人観光客の数は少なく、のんびり参拝できます。

Wat Suthatに外国人が少ない理由は、涅槃像+タイ古式マッサージでお馴染みのWat Pho(ワット・ポー/วัดโพธิ์)、暁の寺の別称を持つWat Arun(ワット・アルン/วัดอรุณ)、エメラルド寺院ことWat Phra Kaew(ワット・プラケオ/วัดพระแก้ว)がわりと近い場所に建っているから。バンコク3大寺院にお客さんを持っていかれているわけです。

とはいえ、ローカルからの信仰は厚く、熱心に祈りを捧げていたり、井戸端会議に興じていたりする地元の方に混ざって、彼らの邪魔にならないようひっそり見学させてもらう感じがたまりません。

また、MRTサムヨート駅の3番出口から徒歩5~6分と、トゥクトゥクやタクシーなしで簡単にアクセスできるのも嬉しいポイントです。

外国人狙いの詐欺が横行しているWat PhoやWat Phra Kaew周辺と比べ、Wat Suthatの周りは穏やか。以前はWat Suthatのゲート前にもふっかけ系のトゥクトゥク運転手が待機していましたが、いまはトゥクトゥク自体が少ないうえに、声すらかけてきません。

建物の素晴らしさ、立地、安全性を踏まえると、初めてバンコクを訪れた人こそ観光に適した寺院なんじゃないかと考えています。

ちなみに、仏の世界を堪能した後は、思いっきり俗っぽく振り切れてカオサン通りへ行くのもあり(※徒歩で移動できる距離です)。

そして、同じサムヨート駅にはインド人街サンペンレーンがあり、そのサンペンレーンをつたって隣駅のチャイナタウンまでも余裕で散策の範囲内です(※ヤワラーからインド人街にかけての私的お散歩コースはこちら)。

なお、私がWat Suthatをゴリ押しするもう1つの理由は次回にアップします。ややニッチな楽しみ方なので、表と裏で記事を分けました。地獄寺に興味のある方やパワースポット好きの方は、引き続きぜひチェックしてみてください。

 

Wat Suthatの観どころ5選

【1】真っ赤なブランコ

Wat Suthatの正面には写真上の巨大オブジェ、Sao Chingcha(サオ・チンチャー/เสาชิงช้า)がそびえ立っています。これは鳥居ではなくブランコ

無印良品の刺繍サービスのタイ限定モチーフにも、トムヤムクンムエタイ、ドリアンと並んで、このSao Chingchaが選ばれています。

昔はブランコにロープで小舟を吊るし、4人の司祭を乗せて激しく揺らす豊作祈願の儀式が行われていたみたいです。

しかし、相次いで司祭が落下死し、1935年に廃止。この歴史を知ってブランコを見上げると、とんでもない高さにビビリます。ロープをかけるだけでも大仕事。

そんな危険極まりない奇祭の復活を望む声も上がっているとか。Sao Chingchaがふたたび儀式で使われる日は訪れるのでしょうか。

 

【2】タイ最大の青銅製大仏

そもそもWat Suthatが建立されたきっかけは、ラマ1世が遷都した際、新たな首都バンコク大仏を置こうと指示したため。

当時のタイではもっとも大きく、現在でも国内最大規模を誇る青銅製のその大仏が、正門を入ってすぐの礼拝堂に安置されています。仏像の高さは約8mで、プラス台座が約6mタイ国政府観光庁のHP参照)。

大仏はスコータイから水路を利用して運搬。あまりの大きさに寺院の門に引っ掛かってしまい、やむなく門や城壁を破壊したと言い伝えられています。ダイナミックすぎる。

この仏像には仕事運、特に昇進昇給のご利益があり、満月の夜にお参りをすると効果が倍増するらしいです。会社勤めの方は行くっきゃない!

 

【3】礼拝堂の壁画

【2】の大仏が鎮座する礼拝堂は壁画も圧巻。4階建てのビルに相当する天井まで、びっしり壁画で埋まっていて、上のほうは肉眼じゃ確認できません。

お釈迦様が極楽浄土でお説法されている場面の他、仏教の教えを可視化したものもあれば、建立当時の都の様子を描いたものもあり、長時間見入ってしまいました。国の象徴であるゾウの絵も多く、タイの人々とゾウの繋がりの深さを感じます。

プチ情報として、境内のレイアウトは仏教的宇宙観を表し(※Wat Phoも確かそうでしたよね)、宇宙の中心である須弥山がこの礼拝堂なんですって。

 

【4】本堂

礼拝堂の裏手にある本堂の内部にも、隙間なく壁画が描かれています。【2】ほど大きくはないものの、立派な大仏だって拝めます。

大仏の真ん前には、パッと見で100体近い僧侶の等身大セメント像がズラリ。以前は近くで眺められたのに、いまは規制線が張られ、奥まで進めません。

でも、立ち入り禁止になったことで、参拝客に見せる用じゃなく、仏様にリスペクトを捧げる目的でセメント像を配置しているっていうのが強調され、むしろ痺れました。観光客に媚びないWat Suthatのスタンスは凄く好感が持てます。

 

【5】回廊の金色仏像と可愛いガイドさん

礼拝堂を四角く取り囲む格好で作られた回廊には合計156体の仏像が置かれています。ここで私は運良くネコのガイドさんに遭遇。その人懐っこいネコさんは回廊の1辺分をゆっくり先導してくれるじゃないですか。

時折後ろを振り返って、私の表情をしっかり確認してくるあたり、かなり優秀なガイドさんとお見受けしました。

 

拝観料は?

Wat Suthatは外国人に対して拝観料を徴収します(※タイ人は無料です)。価格は1人100THB。コロナ前までは50THBでした。もっと言うと、2010年頃までは20THB。

このご時世、値上げは致し方ありません。何よりWat Suthatには100THB払う価値は十二分にある寺院だと思っています。

以下、おまけの話。私が訪れた時はちょうどチケットカウンターに係の人が不在でした。すぐに戻ってくる気配もなく、一旦、無銭で参拝。

帰りに「さっきは人がいなくてお金を払えなかった」と伝え、100THBを差し出したら、係員さんが「申告してくれてありがとう。今回はサービスするよ。またお参りしにきてね」ですって。

正直者が得をする世界って素敵。期せずしてタイの良心に触れ、温かい気持ちになりました。必ずまた訪問します。

 

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