ヘンプシード・オイルやCBDオイルの美容効果にますます注目が集まる昨今。このブログでもそれらの成分を含有したタイコスメを何度か取り上げています。
そんな折、知人から「そもそも日本に持ち込んで大丈夫なの?」と訊かれました。そこで、今回はカンナビス由来コスメの持ち帰り問題について簡単にまとめたいと思います。
なお、当記事は2024年12月12日に施行される改正法に基づいて作成しました。新規定がけっこう現実離れしているので、近いうちに緩和される気がしています。
現在の規制値
長らく日本の法律では茎や種以外を規制の対象にしていましたが、現在は成分分析によって判断されています。
今年10月1日より施工開始を予定するも、12月12日まで延期された改正法では、コスメやお茶、グミなどのCBD加工製品に含まれるTHCの残留限度値を0.003%未満から0.0001%未満に変更(※口内で摂取するオイルや粉末は0.001%未満)
従来の0.003%未満すら世界的に見ればかなり厳しい基準なのに、0.0001%未満はもはや狂気の沙汰らしいです。
そして、この0.0001%未満であることを証明するのは技術とコストの両面において難しく、伸びしろの大きい真面目なベンチャー企業ほど製造や販売をストップ、すでに出回っている商品も回収・破棄せざるを得ない状況に……。
このたびの法改正で医療大麻のハードルがいっそう下がったのは本当に素晴らしいと思います。心待ちにされていた患者さんも多いはず。
でも、新たに設けられたTHC基準値は世の中の流れと逆行していますし、専門家曰く何の根拠もなく、異常としか言いようがありません。とにかく、まずは現行の規制基準をうっすら頭に入れておいてください。
ヘンプシード・オイルを使ったコスメは持ち込みOK
保湿性が高く、抗酸化作用や抗炎症作用を備え、食料品、スキンケア品、ヘアケア品など、さまざまな用途で商品化されているヘンプシード・オイル。
その原料となる種子にはTHCが含まれていません。したがって、ヘンプシード・オイル製のコスメは日本に持ち帰れます。
製造する過程でTHCを含んだ部位に触れる可能性がゼロとは言い切れないものの、コールドプレス製法で種から油を抽出するために、わざわざ花や葉っぱを混入するなんて考えづらいです。
CBDオイルを使ったコスメはちょっと厄介
大麻のいろいろな部位から抽出し(※日本産のほとんどは種と茎由来。これはかつての部位規制が影響しています)、ヘンプシード・オイルとは大きく成分が異なるCBDオイル。
体感としてヘンプシード・オイル配合の基礎化粧品に比べると保湿力やアンチエイジング力が高く、そのぶん値も張ります。
また、CBDオイルはストレス緩和やリラックス効果、鎮痛作用を持ち、自律神経を整えたり、睡眠改善をサポートしたり、てんかん治療やガン治療に応用されたり、医療分野でも大活躍。
このCBDが少々厄介。CBDオイルには大まかに①CBDフルスペクトラム、②CBDブロードスペクトラム、③CBDアイソレートがあり、このうち大麻の全部位を原料にした①は日本だと違法になります。
②はカンナビノイドからTHC成分を取り除いたもの。③はCBDだけを分離したもの。一応、日本の法律上は②も③も認められています。ただし、タイでフルかブロードかアイソレートかご丁寧に明記してくれている化粧品会社はレア中のレア。
そこに日本独自の基準値0.0001%未満ルールの壁が立ちはだかります。先述した通りTHC含有量0.0001%未満を証明するのは困難で、①じゃなくてもグレーゾーン。
で、めちゃくちゃ抜け道ではありつつ、THC Freeと書いてあるアイテムを選ぶのが、現状では日本にCBDオイルを持ち込める合法的手段かと思います。
こんな考え方はダメですよ。それを承知のうえ、THC含有量0.0001%未満を証明するのが難しいのを逆手に取れば、0.0001%以上かどうか、微妙な誤差を証明するのも難しいに違いありません。
ちなみに、CBDコスメのパッケージにはよく「THC濃度は0.2%未満です」的な記載があります。これは多くの国がTHC濃度0.2%未満の製品をOKとしているから。言わずもがな、このマークがついた化粧品を日本に持ち込むのはリスキーです。
まとめ
ヘンプシード・オイル配合コスメは普通に持って帰れます。一方、CBDオイル配合コスメはしばらく我慢しておくのが得策。どうしても海外でゲットしたい方はTHC Freeマークを探してください。
とはいえ、やっぱり私は正々堂々とCBD配合の化粧品を買い漁りたい派。いまは大人しくさらなる法改正を願いながら、指をくわえて商品棚を見つめています。
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