利便性の良さも相俟って、タオ島を訪れるツーリストの多くが滞在拠点に選ぶサイリー・ビーチ地区。今回は昼食/夕食に使える同エリアのグルメ・スポットを3か所ほど紹介していきます。
①Mama Tam
1軒目のMama Tam(ママ・タム)はとりわけ欧米人に大人気。たくさんの宿泊施設が立ち並ぶサイリー地区は、観光地価格のレストランが多めです。
ところが、このMama Tamはリーズナブルで、なおかつヴォリューム満点。節約派のバックパッカーや長期滞在者のハートをガッチリ掴んでいます。
夜ご飯のベストな来店タイミングは18時台前半でしょうか。19時を前後して満席になり、外で待たされるケースもざら。しかもテーブルに着けたはいいものの、料理が出てくるまでけっこう時間がかかります。
例えば私たちがお邪魔した2022年11月の某日。しばらく外で待った後、19時15分に席へ通されるや、すかさず店員さんから「Long Time! OK?」みたいなことを言われました。
「まあ、仕方ないか」と、私はカオトム(※スープライス/写真下)を、ツレは平打ち麺のパッタイ(※写真を撮り忘れました)をオーダー。価格はどちらも60THB、日本円で約240円です。
料理が運ばれたのは注文してから45分後。空腹を通り越し、「もう今晩は食事抜きでもいいかな」と思うくらいの状態でした。
ちなみに、この時のテーブルは相席。幸い隣のドイツ人男性2人組がすこぶるフレンドリーだったので、まったく退屈はしませんでした。
折しも翌月にはサッカーW杯を控えていたこともあり、良かれと思って「初戦で日本とドイツが当たるね」と話を振ると、「え? そうなの?」と返されて拍子抜け。
逆に「フットボールが好きなの?」と訊かれ、「たまにブンデスリーグもチェックしてるよ。日本人プレイヤーもたくさん在籍しているんだよ」と答えたら、「へ~、日本人がドイツのフットボールを観るんだね。ドイツ人の僕たちはまったく観ないのに」と驚かれました。
そんなものなのか……。サッカー大国ドイツに生まれた人は、押し並べてみんなサッカー好きだと決めつけていた自分が恥ずかしいです。
その後も、コロナ渦中の読書体験から拾ったネタ(※グレーフェ彧子さんの『ドイツの犬はなぜ幸せか』や熊谷徹さんの『住まなきゃわからないドイツ』など)を元に、「ドイツは凄いね」みたいなトークを交えてみるも、ドイツに対する私のリスペクトの想いがちゃんと届いたかは不明。
Mama Tamの名誉のためにもしっかりお伝えしておくと、ピーク時以外はそこまで待たされません。別日にツレが頼んだ80THBのマッサマンカレー(※写真上)も、量が多すぎてビックリ。コスパ最強です。
店のオープン時間は10時30分で、ラストオーダーは21時。6割近いお客さんが鶏肉とカシューナッツの炒め物を頼んでいた旨も補足させてください。
②995 Roasted Duck
①のMama Tamと同じく、995 Roasted Duck(995ローステッド・ダック)も旅行者ウケの良い食堂。場所もMama Tamのすぐ近くで、やはり19時台は混みます。
店の看板メニューは、バミーペット(※ローストダックを乗せた中華麺)とカオナーペット(※ローストダックを乗せたご飯)。
通常サイズが70THB/大盛りが100THBのバミーは、赤いヴィジュアルのスパイシー・スープとクリアなマイルド・スープから選べます(※私は断然マイルド派)。
香ばしくローストされた鴨肉はホロホロ、もやしはシャッキシャキ、何よりスープが熱々な点にめちゃくちゃ感動しました。
麺類のスープが熱々って日本では当たり前ですよね。しかし、タイは猫舌な人が多いともよく言われていて、なかなか熱々の汁物に巡り会えません。
タイで汁モノを食べてもあまりグッとこないと感じている人にこそ、995 Roasted Duckのバミーをぜひトライしていただきたいです。この店は仮に日本進出しても流行りそう。
ということで、ここへ行っても他のメニューに一度も手を出さぬまま、私はバミー一択で現在に至りますが、上にツレがオーダーしたカオナーペットの写真も一応貼っておきます。味見した限り激ウマでした。
③Jimmy Thai Food Restaurant
3つ目も麺料理。客層のほとんどが外国人だった①と②に対し、ここはローカルもそれなりに多いです。
場所はサイリー通りにある大きなセブンイレブンの横。Googleマップでは店名がJimmy Thai Food Restaurant(ジミー・タイ・フード・レストラン)となっています。とはいえ、実際はレストランというより常設の屋台。看板もありません。
雨季終わりの閑散期に行った際は、いつ前を通っても店は出ておらず……。そのなかで1日だけ、陰暦12月の満月の日に開催されるローイクラトンの夜にオープンしていました。
ローイクラトンの日は①や②をはじめ、多くの飲食店が休業。食事を済ませてお祭りの会場に行きたかった私たちは、ここが営業していて心底ほっとしたのを覚えています。
私が頼んだのはBBQポーク入りのワンタン麺(70THB)。「ビールは隣のセブンで買ってくれ」と店主のおじさんに言われました。
ツルツルでモチモチのワンタンもさることながら、冬瓜と青菜が絶品。タイの屋台クォリティーの高さは本当にハンパないです。
一方、ベストシーズン只中の4~5月にお邪魔した時は敷地内に冷蔵庫がドーンッと置かれ、ビールもガッツリ冷やされていました。
加えて席数が増え、電飾も見違えるほどド派手に。雨季と乾季ではこうも雰囲気が変わるのか……(※写真上が雨季の様子/写真下が乾季の様子です)。
さらにフードメニューだって充実し、私たちは70THBのマッサマンカレーや90THBのトムヤムスープ(※共にライスは別料金)、50THBのフライドライスなんかもここで食べています。
なお、何の役にも立たないプチ情報として、閑散期は店主のおじさんが赤目ブリブリでBob Marleyを聴いていました。積極的に話しかけてきてくれたのに、滑舌の悪さと言語の壁に阻まれ、8割方は何を言っているのかわからなかったです。
チャキチャキ働く娘さんは最新のタイ・ポップやK-Popを聴きたいらしく、父と娘の間で巧みなBGM権争いが繰り広げられていて、傍目から眺めているぶんには微笑ましい限り。
以上がサイリー地区で私とツレがリピートしている昼食/夕食向けのグルメ・スポットです。この近辺には小洒落たイタリアンやステーキ・ハウスなどもたくさんあるんですけどね。タイ料理が美味しすぎて、どうも外来フード系の店には食指が動きませんでした。
そうそう、前回の記事では朝食にピッタリのジョーク(※タイのお粥)を提供している同エリアの食堂を2軒取り上げています。お時間があればこちらから併せてご覧いただけると嬉しいです。
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