FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~

現在は旅の記事をお休みし、旅関連の本を紹介する読書ブログに切り替えています。

さくら剛『アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!…でも、愛してる(涙)。』|読書旅vol.39

前回ご紹介した『海外旅行なんて二度と行くかボケ!!』で久々にさくら剛さんの文章を読み、不覚にもハマッてしまいました。そのせいで2回連続さくら剛作品の感想文を投稿する事態となった旨を、まずはお詫びします(誰に向けて?)。

『海外旅行なんて二度と行くかボケ!!』は過去の旅エッセイの総集編的な色合いが濃く、入門書にはもってこい。ブログで最初に取り上げるなら、これが相応しいと考えました。

で、その次に読む書籍としてオススメしたいのが、いきなりのヒットとなったデビュー作『インドなんて二度と行くかボケ!!…でもまた行きたいかも』(2006年)。やはり時系列で攻めるのが一番です。

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ん? じゃあ、なぜ『インドなんて二度と行くかボケ!!』ではなく、『アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!…でも、愛してる(涙)。』(幻冬舎)にしたのかって? それは、あまのじゃくな著者に対する私なりのリスペクトです。

……と胸を張って言えればいいのですが、その実は単にバランスを取るため。これまで当ブログでは、アフリカに特化したエッセイをたった1度しかピックアップしていません。よって、さくら作品の中からアフリカ旅にまつわる本書をチョイスした次第です。

 

日本からアフリカ経由で中国に行くって何?

『アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!…でも、愛してる(涙)。』は、2007年作『中国初恋』を2巻に分けて文庫化したうちの上巻にあたる一冊。南アフリカ入りからケニア脱出までが綴られています。

ちなみに、下巻のタイトルは『アフリカなんて二度と思い出したくないわっ!アホ!!…でも、やっぱり好き(泣)。』です。

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ここまで書いて、多くの方が〈『中国初恋』でなぜにアフリカ?〉と疑問に思ったのではないでしょうか。原題に違わず、旅の最終目的地は中国です。

引きこもり生活を送っていたさくらさんが、海外放浪を始めるに至ったきっかけは、恋人との別れでした。

擦った揉んだを経て、『インドなんて二度と行くかボケ!!』のベースとなる旅を終えた著者は、元カノからのメール受信拒否にもめげずに(頼むからめげてくれ!)、アドレス変更のお知らせ作戦などを仕掛け(変な部分でハートが強い!)、晴れて復縁を果たします。

しかし、〈来週から中国に留学します。お元気で〉との淡泊なメッセージと共にあっけなく振られ、ふたたびロンリーボーイへ。

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そこで、〈中国まで彼女に会いに行ってやろう〉と企てます。もうこの時点でかなりヤバイ人です。ストーカー枠にカテゴライズして差し支えありません。

さらに、当初は中国の隣の国あたりから出発するつもりが、〈少し遠くから〉〈いや、もう少し遠くから〉と世界地図を辿っていくうちに、南アフリカを選んでしまったのだとか。

“しょうがないじゃないか。地図を見ているだけだったらそんな遠くない気がしたんだよ。地図帳ではアフリカから中国までほんの2ページ分だったんだよ!! 普通に考えたら2ページ分なんて1泊2日で行けそうじゃないか!!! 急行とか使えば!!!”

いったい何を言っているのやら。傷心で正常な判断ができなかったとしても、理解に苦しみます。案の定、自宅ケープタウン行きの航空券が届いた時も、成田を出る時も、フライト中も、到着してからも、その後の道中も、さくらさんはずっと後悔し続けるのでした(往生際が悪い!)。

とにもかくにも、著者曰く「アフリカを縦断してアジアを横断して中国まで辿り着けるかという無残な実験の結果と報告」が、文庫本2巻に跨ったこの長編大作であります。

 

引きこもりが行くタフなアフリカ旅

こうしてスタートを切ったさくらさんのアフリカ縦断旅バックパッカー系の世界1周エッセイで必ず治安の悪い国上位に喰い込んでくる南アフリカでは、着いて早々ニセ警官の職質に遭い、車で連行されかけます。

続く2か国目のジンバブエでは、全財産を盗られる始末。その強盗犯を捕まえるべく、警官(こっちは本物)に勧められたのは、地元で信望の厚いフォーチュンテラーに犯人の行方を占ってもらうことでした。

もちろん、人生の糧になるありがたいお言葉は賜れても、ピンポイントで犯人を捜し出せるわけがなく……。

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結局、一時は所持金4ドルになりながら、3か国目のマラウイトラベラーズチェックの再発行を受け、満を持してサンジバル島で束の間のセレブ気分を満喫。となるはずが、激しい船酔い悪天候に見舞われて水着ギャルは一切拝めず。

はたまた、タンザニアでサファリ・ツアーに参加した日には、サバンナのど真ん中で車がエンスト。獰猛な肉食動物の餌食になる恐怖を覚えます。

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加えて、「安全だから車から降りて歩いてもいい」とガイドさんに言われた場所で、百獣の王ライオンと涙のご対面。「(ライオン側からは)この車が自走式のちょっとしたエサ箱に見えていると思うんですけど……」とガイドさんに訴え、画期的な新事業を発案されるのでした。

“せめて向こうから見えないように窓をマジックミラーにするとか、何か対策を練った方がいいんじゃないか? がなり社長、マジックミラー号タンザニアに輸出したら結構いいビジネスになるんではないでしょうか”

てか、マジックミラー号が何かわからなかった私は、思わず調べてしまいましたよ。しょうもなっ!!! 検索に要した私の貴重な5~6秒を返してほしいです。

他にも、マサイ族の村ではドルとケニアシリングの両替を頼まれ、赤道の街では北半球側と南半球側でコリオリの力を視覚的に確認できる実験の詐欺に引っ掛かり……と、ローカルとのハートウォーミングなエピソードが満載(※実際はこれっぽっちも心なんぞ温まりません)。

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過酷な環境に置かれたさくらさんの旅レベルは、まるでRGPの如く、日が経つにつれてどんどんアップするのかと思いきや、増えていくのは愚痴ばかり。読者の世代趣味嗜好を選ぶダジャレも冴え渡り、アフリカへの衝撃と同時に、著者本人に対する恐怖心不信感が加速度的に上がっていくこと請け合いです。

まあ、それもこれも、平常心ではいられないほどアフリカ旅はキツイ証拠だと解釈しておきました。

“今から考えれば、夜中にリクシャの運転手と揉めてバカヤローとか言えていたインドがユートピアに思えてくる”

この本を読んで、〈アフリカ縦断旅って楽しそう! 私もやりたい!〉と思える人はたぶん少ないはず。記念すべき処女作で『インドなんて二度と行くかボケ!!』と吐き捨てたかのインドを軽々と凌駕するアフリカ、ハンパないです。どうやら日本の常識はまったく通用しそうにありません。

 

にわかファン……でも、愛してる(涙)

最近、〈2100年アフリカの時代だ〉的な文言を目にする機会が増えました。アジア全体の人口増加に関しては、中国が2013年にピークを迎えたという説もあり、インドも人口抑制政策が効いて鈍化傾向に。もはやこの先、人口が大きく伸びるのは、地球上でアフリカしか残されていないみたいです。

今後、日本が経済的に世界で生き残っていくためには、どこかのタイミングで中国依存に見切りをつけ、アフリカに歩み寄っていく必要があるのかも。

地理的にも文化的にも遠い存在のアフリカ諸国。近隣の中国にさえ手を焼いているのに、大丈夫でしょうか。私たちの3~4世代後の人々は本当に大変だと思います。

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……と、話が急角度で脱線したのは、『アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!…でも、愛してる(涙)。』があまりにもバカバカしく(※決してディスではないです)、少しくらい意識高い系のトピックをネジ込んでおこうと思ったから。

けれども、この試みは失敗に終わる模様です。そもそも私は世界の経済競争に興味がなく、他所と競って自国の力を誇示するのが物凄く前時代的に思え、そのうえ知識も皆無。したがって、何を書いても説得力ゼロ、この話題でテキトーに字数を稼ぐことすらできません。

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なお、さくらさんの略歴を眺めていると、2019年に『経済学なんて教科書だけでわかるか!ボケ!!…でも本当は知りたいかも。』なる本を出版されていました。私は未読です(ごめんなさい)。

2回に渡りブログで紹介しておいて、最後ににわかファンである事実を露呈させてしまいました。せっかくですし、試しに読んでみようと思います。

えっと、何の話でしたっけ? そうそう、『アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!…でも、愛してる(涙)。』でした。Amazonレヴュー賛否が真っ二つに割れています……でも、この本おもしろいですよ(文の締め方が雑!!)。

※記事内の画像はフリー素材を使用しています。本著とは直接関係ありません。

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