前々回と前回はタイで暮らすインド系移民について綴ってみましたが、いつもとはノリが異なり、自分でも調子が狂ってしまいました。そっこーで通常モードに戻します。今回からはリトル・インディアの愛称でも知られるパフラット地区をぶらぶらした時のネタ3連投。
在タイ・インド人の歴史を調べ始めたきっかけも、このパフラット話ついでに何となく気になっただけのこと。序章みたいなものですね。もしお時間があればこちら【前編】とこちら【後編】から流し読みしていただけると嬉しいです。
タイにおけるシク寺院の総本山
パフラットへの行き方は、MRTサムヨット駅の1番出口を降りて目の前にある大通り(チャルンクルン通り)を渡り、そこからはマハチャイ通りか、写真下のような川沿いの遊歩道を300~400mくらい歩くのみ。
ヤワラーを越えたあたりで街の匂いや人々の服装の変化に気付くはずです。
ちなみに、マハチャイ通りから行く場合は右手側にMega Plaza(メガプラザ)、左手側にAlways One Plaza(オールウェイズ・ワン・プラザ)という2つの商業施設を通過します。
どちらのビルも主力商品は玩具で、フィギュアやトレカの専門店が並ぶ様子はさながらバンコク版中野ブロードウェイの如し。日本のアニメ関連グッズも大人気です。マニアの方なら物凄いお宝を発見できるかも?
さて、最初に目指すはパフラット地区のシンボル的な存在であるGurudwara Sri Guru Singh Sabha(グルドワーラー・シークルシンサパー)。朝食の無料配給でも知られ、日本人YouTuberさんによる〈ここで朝カレーを食べてみた〉的な動画もいくつか目にしたことがあります。
が、私たちが訪れた日はたまたま一般開放されていませんでした。運が悪すぎる。というわけで、下掲の写真3点はライセンスフリーの画像を使用しています。
Gurudwara Sri Guru Singh Sabhaはタイ国内で最初に建設されたシク寺院。既存の建物を間借りする形で前身のお寺が建てられたのは1912年です。
その後、移民の増加によって場所が足りなくなり、1933年にここが完成。地方に司祭を派遣する他、タイにあるシク寺院の中でも総本山的な役割を担っているとか。
このグルドワーラーは物凄く財力があり、1950年以降インターナショナル・スクールなども経営しています。それらの運営やお寺の催事を取り仕切る委員は、18歳以上の在タイ・シク教徒が参加できる選挙で決定し、議長をはじめとする役員職は概ね繊維商人層の成功者が担当。
またボランティア活動にも積極的で、タイ社会としっかり同化している点も特筆すべきトピックでしょう。その一方、寺院内での宿泊や無料給食は制限・減少傾向に。同エリアで暮らす信者の方々の経済的な成功が背景にあるようです。
……といった話を、『タイのインド人社会 東南アジアとインドの出会い』(佐藤宏・著)などで読みかじりました。前回の記事に載せきれず、どうしてもこれを今回書いておきたかったんですよね(完全に自己満足)。
手芸好きにとっての天国
自分の気が済んだところでお次はIndia Emporium(インディア・エンポリアム)へ。Gurudwara Sri Guru Singh Sabhaのすぐ隣にあるショッピングセンターです。India Emporiumで狙うは何と言っても布。
かつてパンジャーブ地方からタイに渡った移民たちは、パフラットで繊維の小売商をスタート。流石は数字に強いインド系の人々だけあって、あれよあれよと商売の規模を拡大し、やがてこの街は繊維系の一大問屋街へと発展しました。
India Emporiumのすぐ裏に広がるパフラット市場でも布のお店は多いものの、値段は大して変わりません。であれば、空調が効いた室内でじっくり物色できるIndia Emporiumを私はオススメしておきます。
私とツレはタープに付けたり、敷物にできそうなそこそこ厚手の柄物コットンや、商品撮影時に使う背景用のパリッとした真っ白い生地など、4種類の布を各3~4ヤードずつ購入。価格は合計500THB(約1800円)でした。
ご参考までにユザワヤで似た素材感の柄物コットン生地を2メートル(2ヤード強)買うと、かかる費用は約7000円です。
日本の4分の1程度の価格で布をゲットできてしまうこのパフラット地区、手芸好きの方には夢のようですよね(*シルクに関してはもっとお得感あり)。もちろん、タッセルやビジュー、フェザーといったパーツ類も破格で売られていました。
その他、インド製のコスメや石鹸、お香にアロマオイル、アクセサリーにビンディーも数多く並ぶIndia Emporium。手芸に縁のない方だって十二分に楽しめることは間違いありません。白状しますと私も手芸は大の苦手。超が付くほど不器用です。
で、いかにもインドらしい髪飾りに胸を熱くしつつ、とりわけなぜか無性にティッカが欲しくなるも、「買ったところで身に付ける機会はないだろう」と自分に言い聞かせて泣く泣く断念。
ですが、ベリーダンサーは言わずもがな、コスプレイヤーや気合いを入れてフェスに行きたい方だったら普通に可愛く使いこなせると思います。
そんなこんなで、パフラット散策記録の第1弾は、Gurudwara Sri Guru Singh SabhaとIndia Emporiumについてでした。次回のお題はカレー、そしてその次はパフラット市場となる予定です。ぜひ引き続きお付き合いくださいませ。
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