UNESCO世界遺産としてはタイで5つ目、自然遺産としては2つ目に登録されたカオヤイ国立公園(Khao Yai National Park)。
カオヤイの概要については前々回のブログで触れた通りですが、広大な敷地の中には見ておくべき名所がたくさん存在します。ということで、前回に続いて園内の人気スポットをご紹介していきましょう。
①Haew Narok Waterfall
私たちが訪れたのは2019年2月後半。乾季の終盤にさしかかった頃です。特にこの年の乾季は3か月間まったく雨が降らず、前回取り上げた2つの滝も干上がる寸前の残念な結果に終わりました。本当に水がない……。
それにもかかわらずまた滝です。何と言ってもこのHaew Narok Waterfall(ヘウ・ナロク・ウォーターフォール)はカオヤイ国立公園の中でもっとも人気/知名度の高い場所。外すわけにはいきません。
場所は北ゲートから南下すること25km弱。反対側の南ゲートからは10km程度離れた位置にあります。
最寄りの駐車場よりさらに10~15分ほど徒歩移動。序盤で吊り橋を渡り、「楽しいお散歩コースだわ」と余裕をカマしていたのも束の間、急な石段をひたすら下るという難関が待ち受けていました。
半分も行かないところで足はパンパン。もしこれが雨季で地面が濡れていようものなら、かなり足元が滑るはずです。
こうして苦労の末に出会えた景色がこちら(↓)。はい、予想通りカラカラでした。とはいえ、この滝が想像以上に大きくって。
Haew Narok Waterfallはカオヤイ最大規模の滝だそうで、公式HPによると高さは約80m。写真じゃイマイチ伝わらないのが悔しすぎます。
Narokを直訳すると地獄。日本語の奈落と同じサンスクリット語のNarakaが語源らしいです。で、その名に偽りなく80mの絶壁から大量の水が流れ落ちる様子を想像しただけで恐怖心を覚えました。
実際これまで何頭ものゾウがこの滝の犠牲に……。例えば昨年の10月、11頭の群れが遺体で発見されています。
専門家の見立ては「川に流された子ゾウをみんなで助けようとしたのではないか」とのこと。あんなに大きなゾウすらもこの滝の前ではひとたまりもありません。
自然が生み出す美と同時にその脅威も感じられるHaew Narok Waterfall。直接自分の目に焼き付けることができて良かったと心から思いました。
②Pha Diao Dai
続いてはカオヤイ森林地帯の中で一番標高の高い場所にあるPha Diao Dai(パー・ディアオ・ダーイ)。園内屈指の絶景ポイントです。
曲がりくねった山道をグングン登ると、最寄りの駐車場に到着。そこから絶景が見られる場所までは、写真下のような遊歩道を通っていきます。長さは446m。
このあたりはサイチョウやシロガシラクロヒヨドリ、カザリオウチュウなどが頻繁に現れ、バードウォッチングにもうってつけだとか。
野鳥とのご対面は叶わなかったものの、あまり見たことのないシダ植物やコケ植物が生い茂り、なかなか良い雰囲気です。
案内板にはこの場所に遊歩道が敷かれている理由について「これらの植物を人間が踏み潰さないため」と書かれていました。流石は自然保護区。
世界遺産効果で国内外から数多くの観光客が訪れるようになったいま、こうやって多少人の手を加えてでも豊かな自然を守っていく取り組みが必要なんでしょうね。
そんなことを考えつつ歩みを進めていたら、ある地点で視界が一気に開けました。広大なカオヤイ公園を一望でき、天下を獲ったような気分。
なお、ここは900mの崖の上。先端近くに立つと身体中がゾワゾワします。高所恐怖症の方はちょっと厳しいかも。
柵や手すりは一切なく、ただ黄色い線が引かれ、注意喚起の看板が小さく立っているのみ。「安全管理は大丈夫?」という疑問は一旦置いておいて、何の障害物にも邪魔されずにこの絶景を拝めるのは至福の体験でした。
こんな調子で2回に分けてお届けしてきたカオヤイ公園の名所紹介。いかがでしたか? 長引くコロナ自粛で萎えつつある冒険心を少しでも刺激できたら幸いです。
さて次回以降はカオヤイの中ではなく、公園の周辺にフォーカスしてみようと思っています。お時間があればぜひまた覗きに来てやってくださいませ。
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